正直に言うと、最初の目当ては山じゃなかった。
1ヶ月ほど前にYouTubeで見た登山系動画に、黒百合ヒュッテのビーフシチューが映っていた。それから頭を離れなくて。「山はおまけでいいから、ビーフシチューを食べに行こう」というのが、この日の出発点。北八ヶ岳エリアは初めての山域で、天狗岳がどんな山かもよく知らないまま、白駒池の駐車場に車を滑り込ませた。
この記事でわかること
- 対象読者:八ヶ岳(北)を初めて検討している人、黒百合ヒュッテに興味がある人
- 結論:白駒池〜ニュウ〜東西天狗岳〜黒百合ヒュッテ〜中山の周回は変化に富んでいて飽きない。5月下旬でも雪渓・凍結箇所あり
- 見どころ:ニュウの独特な岩峰展望、東西天狗岳の縦走稜線、黒百合ヒュッテのビーフシチュー
登山データ
| 項目 | データ |
|---|---|
| 登山日 | 2021年5月30日(日帰り) |
| 行動時間 | 8時間49分 |
| 距離 | 12.9km |
| 累積標高(上り/下り) | 951m / 952m |
| ルート | 白駒池観光案内所 → ニュウ → 東天狗岳 → 西天狗岳 → 天狗の奥庭 → 黒百合ヒュッテ → 中山 → 白駒荘 → 白駒池 |
| エリア | 長野県(北八ヶ岳) |
アクセス・駐車場情報
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 登山口 | 白駒池観光案内所(長野県南佐久郡小海町) |
| 駐車場 | 白駒池有料駐車場(600円。後払い制) |
| トイレ | 駐車場横(50円) |
| 公共交通 | JR小海線「野辺山駅」からバス。または茅野駅・佐久平駅からアルピコ交通バス(季節運行) |
駐車場は白駒池の入口そばにある。朝7時台はそこそこ車が入っていたが、まだ余裕あり。料金は後払い制で、下山後に精算する仕組みだった。



スタート〜白駒池〜ニュウへ

7時25分、白駒池観光案内所を出発。5分で白駒池入口に着く。
苔むした森がいきなり広がる。北八ヶ岳らしい。コケの密度が異常で、岩も倒木も全面緑。歩き始めから別世界に放り込まれた感じがして、テンションが上がった。



白駒池を過ぎ、ニュウへの登山道に入る。「にゅう」という名前が頭の中でずっと響いている。どんな山かと思っていたら、岩が飛び出した独特な小ピークだった。
8時16分ごろから「にゅ♡」という表記が現れ始め、9時過ぎに頂上直下の岩場へ。写真を撮りながらじわじわ登って、8時56分にニュウ到着。




眺めが思いのほかよかった。ここ、ほとんどの人が通過点にしているけど、ちゃんと見どころがある。岩の頂から見る八ヶ岳の主稜線が近く感じる。


天狗岳へ〜東天狗・西天狗の縦走

ニュウから天狗岳方面へ。9時30分に出発して、樹林帯を抜けると展望が開けてきた。

5月下旬でも雪渓が残っている。大きくはないが、踏み跡がしっかりついていてアイゼンなしで通過できた。とはいえ油断は禁物で、硬くなった雪は滑る。


11時5分、東天狗岳の直下。ここから急だった。

11時8分、東天狗岳(標高2,640m)到着。


山頂からの景色が広い。南八ヶ岳の峰々が近くに見える。赤岳・硫黄岳・横岳の並びが格好いい。これが八ヶ岳か、という感じ。
西天狗岳との往復は稜線上の鞍部を経由する。下って登る、その繰り返し。


11時32分、西天狗岳(標高2,646m)到着。東天狗より若干高い。こちらが最高点。


西天狗から見える遠景が気になった。八ヶ岳の奥の白い連なり。南アルプスのシルエットが見えた気がしたけど、確認しきれなかった。


東天狗を経由して黒百合ヒュッテへ
西天狗から一旦東天狗に戻り、黒百合ヒュッテ方面へ下る。

12時9分ごろ、黒百合ヒュッテへのトラバース道で写真を撮った。この頃には「ビーフシチューが食べたい」という気持ちがかなり高まっていた。


天狗の奥庭は岩がごろごろと積み重なったエリア。足元をよく見ながら歩かないとペースが落ちる。思ったより時間がかかる地形だった。


12時52分。「思ったより長い。腹減った」という気持ちで歩いていた。正直な記録。

13時1分、黒百合ヒュッテが見えてきた。

黒百合ヒュッテ〜ビーフシチューの話

今回の登山の本来の目的地はここ。小屋の前に着いた瞬間の安堵感が半端なかった。

メニューを確認して、ビーフシチューを注文。ライスで食べたかったが、この日はパンしかないとのこと。ちょっと残念だったけど、パンでいただいた。

ビーフシチュー、うまかった。山の中で食べるシチューというだけで加点される部分はあるけど、それを差し引いてもしっかりした味。1ヶ月間頭の中にあった理想と、実物との差がほぼなかった。珍しい体験。
中山〜高見石〜白駒池へ下山
食後、13時56分に黒百合ヒュッテを出発。中山峠から中山経由で下山する。
14時32分、中山。14時36分、中山展望台。お腹が満たされると足が軽くなる気がする。

展望台から先の下りで凍結箇所があった。5月下旬でも日陰の雪が残っていて、踏み固められた雪が氷になっている。滑った。

15時31分、高見石小屋到着。揚げパンを期待していたが、小屋は閉まっていた。残念。

16時3分、白駒荘。16時13分ごろ、無事に下山。行動時間8時間49分。

独断と偏見で選ぶ、この日の「3つの意外」
第1位:ニュウが思ったより面白い
「通過点だろう」と思っていたら、岩峰の独特な雰囲気と展望が予想を超えた。名前の響きも含めて、北八ヶ岳らしい個性がある。
第2位:天狗の奥庭が地味に長い
岩ごろごろエリアは見た目より時間がかかる。空腹で歩くと余計に長く感じる。黒百合ヒュッテに早めに着きたいなら、行動食はしっかり持つべき。
第3位:ビーフシチューがちゃんとうまかった
期待値が高いと実物ではガッカリすることが多い。でも今回はそれがなかった。山小屋ご飯の中でも記憶に残る1杯。次に来るときもまた食べると思う。
天狗岳 登山 Q&A(よくある質問)
Q. 天狗岳(東天狗・西天狗)の難易度は?
白駒池からのルートは技術的な難所は少なく、中級者向け。ただし5月下旬は雪渓・凍結箇所が残る。チェンスパや軽アイゼンを持参しておくと安心。累積標高951m、行動時間は約9時間。
Q. 黒百合ヒュッテのビーフシチューはいつでも食べられる?
日帰り登山でも小屋のランチ営業時間内であれば注文できる。ただしライスが品切れの日もある(行ったときはパンのみだった)。事前に電話確認しておくと確実。
Q. 白駒池の駐車場は混む?
土日の朝7時台はそこそこ埋まっている。600円・後払い制。トイレ(50円)が隣接。紅葉シーズンは激混みになるので早着必須。
Q. ニュウはメインルートから外れる?
白駒池〜天狗岳の周回コースに組み込める。ただしニュウ経由にすると天狗岳まで登りが続くため体力は使う。稲子湯方面への下山ルートもあるが、今回は白駒池へ周回して戻った。
Q. 5月下旬の北八ヶ岳はどんな装備が必要?
雪渓・凍結箇所が残る。軽アイゼン(6〜10本爪)を持参するのが安心。行動中は汗をかくが稜線は風が冷たい。レインウェアと薄手のフリースで調整できた。
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ここまで読んでくれてありがとうございます。天狗岳は「ビーフシチューのついで」で行った山なのに、結果的に一番記憶に残っているのはニュウの景色だったりする。山って不思議。次は赤岳まで足を伸ばしたいと思っている。では、またどこかのお山で👋





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