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初めての富士登山。まず立ちはだかるのが「装備、どうする問題」です。登山靴もザックもレインウェアも持っていない。かといって、一回登るだけかもしれないのに一式そろえると十数万円が飛ぶ・・・。
百名山100座を、全部自分の装備で歩いてきました。だからこそ言えることがあります。初めての富士登山なら、装備レンタルは十分アリ。むしろ最初から借りればよかった、と後から気づく人は少なくない。この記事では「買う派」「借りる派」どちらが得かを、経験者の判断軸で整理していきます。
⏱ 30秒でわかる結論
今後も続けるか分からないなら、まずレンタルで登ってみるのが正解。
登山靴もザックも「山で長く使ってみて初めて、合う・合わないが分かる」道具。一回きりかもしれない初回に十数万円を先払いする必要はない。登ってみて「また登りたい」と思えたら、その時に自分の道具を買えばいい。
- 富士山の必須3点「靴・ザック・レインウェア」がまとめて借りられる
- 試着してサイズを合わせても、山で長時間歩くと合わないことがある(=先に買うリスク)
- ポールだけは後悔が少ない道具。重さと長さを確認して買うのもアリ
逆にレンタルを勧めないのは=これからずっと山を続ける人(自分の道具を持つべき)/人が使った物が生理的に苦手な人。この2タイプは最初から購入がおすすめです。
🎯 あなたは借りる派?買う派?(30秒判定)
| あなたのタイプ | おすすめ |
|---|---|
| とりあえず富士山に一度登ってみたい | ◎ レンタル |
| 続けるか自分でもまだ分からない | ◎ レンタル |
| 年数回は登る予定・これから続けたい | ○ 購入 |
| 人が使った道具は生理的に苦手 | ○ 購入 |
富士登山の装備、そろえると総額いくら?
まず現実を数字で見ておきます。初めての富士登山で最低限そろえるべき装備を、私が実際に使っているクラスで見積もると、一式でだいたい十数万円。これが「買う」を選んだときの初期費用です。
| 装備 | 目安価格 | 富士山での必要度 |
|---|---|---|
| 登山靴 | 2〜3万円 | 必須 |
| ザック(30L前後) | 1.5〜2.5万円 | 必須 |
| レインウェア(上下) | 2〜4万円 | 必須 |
| 防寒着(フリース・ダウン) | 1〜2万円 | 必須(山頂は夏でも氷点下近く) |
| トレッキングポール | 0.6〜1.5万円 | 推奨 |
| ヘッドライト | 0.4〜0.8万円 | 必須(ご来光・夜間行動) |
| ベースレイヤー・行動着 | 0.5〜1.5万円 | 必須 |
装備をそろえる順番にも、実は「効く順」があります。私の場合はこうでした。
- 登山靴・・・足を守る土台。ここが合わないと全部が台無しになる
- ザック・・・背負い心地が体に合うかで疲労が変わる
- トレッキングポール・・・下りの膝を守る。富士山の下山は特に効く
- レイヤー(服)・・・行動着・防寒・ベースレイヤーの重ね着
そして順番とは別に、絶対に省けないものが一つあります。レインウェア(カッパ)です。富士山は天候が急変する山。雨に濡れて風に吹かれると、夏でも一気に体温を奪われます。晴れ予報でも必ず持つ。ここをケチると本当に地獄を見ます。富士山でまず外せないのは「靴・レインウェア・ザック」。この3点は、買うにせよ借りるにせよ避けて通れません。
レンタルが向く人・向かない人(経験者の判断軸)
ここがこの記事の核心。100座を自分の装備で登ってきた立場から、正直に書きます。
結論を左右するのは「今後どれくらい登るか」だけ
買うか借りるか。判断軸はシンプルで、これから何回登るかに尽きます。一回登って終わりなら、十数万円の装備は割に合わない。逆に年に何度も登るなら、レンタル代を積み重ねるより自分の道具を持ったほうが結局は得です。
ここで多くの初心者がつまずくのが、「登る前に、自分が今後どれくらい登るか分からない」という問題。分からないのが普通です。だからこそ、まず一回レンタルで登ってみる。登ってみて「また登りたい」という気持ちが湧いたら、その時に買えばいい。順番を逆にしないことが、無駄なお金を使わないコツなんです。
損益分岐の目安(何回使うなら「買い」か)
その「何回登るか」を金額に置き換えたのが下の表です。レンタル料は2026年8月29日時点・やまどうぐレンタル屋公式サイトの税込価格(1泊2日・通常料金)、購入価格は冒頭の表と同じ相場観。購入価格とレンタル料だけの単純比較で、送料・補償・手入れなどは含みません。
| 道具 | レンタル料(1回・税込) | 買うといくら? | 買った方が安くなる回数 |
|---|---|---|---|
| 登山靴 | 4,500円〜 | 2〜3万円 | 5〜7回 |
| ザック | 3,500円〜 | 1.5〜2.5万円 | 5〜8回 |
| トレッキングポール | 3,000円〜 | 0.6〜1.5万円 | 3〜6回 |
| 防寒着(ダウン) | 3,500円〜 | 1〜2万円 | 3〜6回 |
※回数は各商品の表示最低料金で計算しています。実際のレンタル料が高い場合は、より少ない回数で購入額を超えることがあります。レインウェアは確認時点で大人用単品の料金ページを特定できなかったため表から外しました。出典:やまどうぐレンタル屋の各商品ページ(2026年8月29日閲覧)。
目安は、靴とザックなら5回目、ポールと防寒着なら3回目あたりから買った方が安くなる計算です。年1回の富士登山ならしばらくレンタルで十分ですし、通う気配が出てきたら「継続が見えた道具から買う」のが順番です。店舗受取の「手ぶら割」などの割引もあります(適用条件あり)。最新の料金と条件は下のボタンの公式サイトで確認してください。
回数の見当がつかないなら、まず1回借りてから決める
買うか借りるかは「これから何回登るか」で決まりますが、登る前にそれが分かる人はあまりいません。順番を逆にしないほうが、結果的に無駄が出にくいと思います。いま借りられるセットの中身と料金だけ、先に見ておくといいかもしれません。
道具は「山で長く使って初めて」合う・合わないが分かる
もう一つ、先に買うことのリスクを伝えておきます。登山靴もザックも、店で試して選んでも、山で長時間歩いてみないと本当に合うかは分からない。
登山靴は、店で試着してサイズを合わせても、山で何時間も歩くと「あれ、合わないな」と分かるパターンが本当にある。下りで爪先が当たったり、特定の場所が擦れたり。
ザックも同じです。お店では10kgほどの重りを入れて背負わせてくれますが、あれはあくまで参考程度。実際に自分の荷物を詰めて背負うと、重心のバランスが変わって、感じ方も安定感も全然違ってきます。店内で数分歩いた感触と、実際の荷物で何時間も登ったときの体への当たり方は別物なのです。
つまり、いきなり高い道具をそろえるのは、けっこうな博打。まずレンタルで山を歩き、自分の足やクセを知ってから買うほうが、失敗が減ります。
逆に、ポールだけは後悔が少ない道具です。重さと長ささえきちんと確認して選べば、大きく外すことはあまりない。ここは最初に買ってしまってもいい部類です(選び方はトレッキングポールの選び方の記事にまとめています)。
レンタルを勧めたい人
- とりあえず富士山に登ってみたい人・・・一式そろえる前に、まず山を体験できる
- 今後も続けるか分からない人・・・続けると決めてから買えばいい。順番が大事
- 収納・メンテの手間を持ちたくない人・・・使わない装備は場所も取るし手入れもいる
レンタルを勧めない人
- ずっと山を続けている・続ける気持ちが固まっている人・・・自分の道具を持つべき。使い込むほど体に馴染む
- 人が使った物が生理的に苦手な人・・・気になって山を楽しめないなら、最初から買うのが正解
やまどうぐレンタル屋の特徴(富士登山セット)
「借りるならどこ?」という人向けに、富士登山レンタルの定番やまどうぐレンタル屋を調査ベースで紹介します。以下は公式サイトで公開されている情報です(レンタル品そのものは私自身は未使用のため、実体験ではなく調査情報として記載します)。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 看板商品 | 富士登山用の装備セット(靴・レインウェア・ザックなど必須品をまとめて) |
| セット内容 | 6点セットはレインウェア上下/ザック(20L・28-35L・60Lから選択)/登山靴(登山用ソックス進呈)/ストック/ヘッドランプ(予備電池3本付)/ショートスパッツ。12点セット(税込24,000円〜)はこれに防寒着(フリース)/トレッキングパンツ/機能性タイツ/膝サポーター/アウター手袋/帽子が加わる(2026年9月4日に公式サイトで確認) |
| 借り方 | ネットで申込 → 宅配で自宅に届く → 登山後に返送 |
| サイズ | 靴・ウェアはサイズ展開あり。申込時に選択 |
| 返却 | 使用後は洗濯・クリーニング不要でそのまま返送できる形が基本 |
| 向く人 | 初めての富士登山・単発で装備をそろえたくない人 |
| 料金の目安 | 富士登山まるごと6点セット 税込13,500円〜(2026年8月29日時点)。この料金はやまどうぐレンタル屋の公式サイトに掲載されていた内容で、2026年8月30日に確認した。最新の料金・セット内容は変わるので、記事内のボタンから公式サイトで確認してほしい |
最新の料金・在庫・セット内容・サイズ展開は時期によって変わるため、申込前に必ず公式サイトで確認してください。特に富士登山シーズン(7〜9月)は予約が集中します。登る日が決まったら、早めに押さえておくのが安心です。
富士登山の持ち物|レンタルで借りられるもの・自分で用意するもの
セットの中身が分かると、次に気になるのは「では何が足りないのか」です。ここを埋めておかないと現地で困ります。自分が富士山に登ったときに実際に持っていったものを、レンタルで借りられるかどうかで振り分けてみました。
| 持ち物 | 6点セット | 12点セット | 自分で用意 |
|---|---|---|---|
| レインウェア(カッパ) | ⭕ | ⭕ | — |
| ザック | ⭕ | ⭕ | — |
| 登山靴 | ⭕ | ⭕ | — |
| トレッキングポール | ⭕ | ⭕ | — |
| ヘッドランプ | ⭕ | ⭕ | — |
| 帽子 | ❌ | ⭕ | 6点セットなら自前 |
| 手袋 | ❌ | ⭕ | 6点セットなら自前 |
| 羽織るもの(防寒着) | ❌ | ⭕ | 6点セットなら自前 |
| 水 | ❌ | ❌ | 必ず自分で |
| 行動食 | ❌ | ❌ | 必ず自分で |
| 非常食 | ❌ | ❌ | 必ず自分で |
| 現金(トイレチップ) | ❌ | ❌ | 必ず自分で |
| 日焼け止め | ❌ | ❌ | 必ず自分で |
| サングラス | ❌ | ❌ | 必ず自分で |
| タオル | ❌ | ❌ | 必ず自分で |
| 手を拭くもの(ウェットティッシュなど) | ❌ | ❌ | 必ず自分で |
| ケガの手当てセット | ❌ | ❌ | 必ず自分で |
借りられるかどうかで見ると、境目がはっきりします。靴・カッパ・ザック・ポール・ヘッドランプは6点セットで足ります。ところが帽子・手袋・羽織るものは6点セットには入っていません。ここは12点セットにするか、自分で用意するかの二択になります。
そして水・行動食・非常食・現金・日焼け止め・サングラス・タオル・ケガの手当てセットは、どのセットにも入っていない。当たり前に見えて、レンタルを申し込んだ安心感で抜けやすいのがこのあたりです。地味に効くのが手を拭くもの。富士山では水が貴重で、手を洗える場所がありません。行動食を口に入れる前や山小屋の食事の前に、ウェットティッシュが一枚あるだけでずいぶん違います。トイレチップは自分が払ったときで1回300円でした(山小屋やトイレによって異なるので、小銭を多めに持っていくと安心です)。
非常食選びの参考に、私が泊まりの登山で使っているアルファ米の体験談もまとめています。
逆に、持っていったのに使わなかったものもあります。自分の場合はバーナー。念のためザックに入れましたが、結局出番はありませんでした。
夏でも、羽織るものは「秋冬の装備」で考える
一つだけ強調しておきたいことがあります。富士山で羽織るものを選ぶときは、夏の装備ではなく秋冬の装備で考えたほうがいい。とくに夜を過ごすなら、かなり冷えます。そこに風が強かったり雨が降ったりすると、体感はさらに下がる。夏山のつもりで薄手の一枚だけ持っていくと、まず足りません。
もう一つ、脱いだり着たりがしやすいものを選んでください。富士山は歩いている間と止まっている間で体感がまるで違います。暑くなったらすぐ脱げて、止まったらすぐ着られる。これができる服のほうが、高機能な一着よりも現場では効きます。
借りる前に知っておきたい注意点(経験者の助言)
サイズは余裕をもって・靴擦れ対策も忘れずに
レンタルでも購入でも、靴のサイズ選びは慎重に。下りで爪先が当たると、富士山の長い下山でかなり削られます。厚手の登山用靴下を履く前提でサイズを選び、可能なら届いた靴で事前に室内を歩いて慣らしておくと安心です。靴擦れ対策のテープや絆創膏も、ザックに一つ入れておくと違います。
高山病は装備で防げない・でも「見える化」が効く
もう一つ、初心者に必ず伝えたいのが高山病のこと。これは装備でどうにかなるものではありません。なる時はなるし、ならない時はならない。私も富士宮ルートで、血中酸素飽和度(SpO2)が79まで下がった経験があります(正常はおおむね96〜99)。
そこで役に立ったのがパルスオキシメーター。指にはさむだけで血中酸素を数字で表示する、小さな機械です。この道具の価値は、体調を「数字で見える化」してくれること。数字が見えるだけで、納得感と安心感がまるで違います。
例えるなら、YAMAPのような地図アプリで自分の現在地と残り距離が見えるから「行ける・行けない」を判断できるのと同じ。高山病も、感覚だけだと「しんどいけど気のせいかも」と我慢してしまいがち。でも数値が見えると、「もう下山しよう」「少し休もう」と早めに決める手がかりが一つ増えます。ただし、数値が良くても体調が悪ければ、登り続けないでください。数値は休憩や下山を考えるための参考で、「まだ登れる」というお墨付きにはなりません。詳しくは富士山でSpO2が79まで下がった実体験の記事に書きました。
「買う派」に進む人へ・道具選びの参考記事
「一回登ってみたら、山にハマった」・・・そうなったら、次は自分の道具です。私が実際に使って本音でレビューした記事を置いておきます。買う派になった時の参考にどうぞ。
- 登山靴(一般道メイン):スポルティバ TX5 Low GTX レビュー
- 登山靴(岩場・アプローチ):スポルティバ TX4 EVO GTX レビュー
- トレッキングポール:ポールの選び方(モンベルS・LEKI比較)
- 下山の膝対策:YAMAP BMZインソール カーボン レビュー
- 膝のサポート:CW-Xジェネレーター(サポートタイツ)レビュー
- 登山用靴下:ダーンタフ靴下レビュー
よくある質問
Q. 富士登山の装備は全部レンタルできますか?
A. やまどうぐレンタル屋では、登山靴・レインウェア・ザックといった富士登山の必須品をセットで借りられます。ベースレイヤーや靴下など肌に直接触れるものは購入したほうが衛生的なので、そこだけ買い足す人が多いです。最新のセット内容は公式サイトで確認してください。
Q. 買うのとレンタル、どちらが得ですか?
A. 今後どれくらい登るかで変わります。一回登って終わりなら装備一式(十数万円)は割に合わず、レンタルが得。年に何度も登るなら、自分の道具を持ったほうが結局は安く済みます。迷うなら、まずレンタルで登ってから判断するのがおすすめです。
Q. レインウェア(カッパ)は本当に必要ですか?
A. 必須です。富士山は天候が急変し、雨と風で夏でも一気に体温を奪われます。晴れ予報でも必ず携行してください。持たずに登るのは非常に危険です。
Q. レンタルの靴でもサイズは合いますか?
A. サイズ展開はありますが、登山靴は山で長時間歩くと合う・合わないが出ます。厚手の登山用靴下を前提にサイズを選び、届いたら事前に室内で慣らすと安心。靴擦れ対策のテープも持っていきましょう。
Q. 高山病は装備で防げますか?
A. 装備では防げません。なる時はなり、ならない時はなりません。パルスオキシメーターで血中酸素を数字で確認すると、下山や休憩を早めに決める材料になります(数値が良くても症状があれば下山が優先)。ゆっくり登り、こまめに水分と休憩をとることが基本です。
まとめ・初めての富士山は「まず借りて登る」でいい
最後にもう一度。初めての富士登山、装備は無理してそろえなくていい。まずレンタルで登ってみて、続けたいと思ったら自分の道具を買う。この順番なら、お金も後悔も最小限に抑えられます。
道具は山で長く使って初めて、自分に合うかが分かるもの。だから、いきなり十数万円を先払いする必要はありません。一回登ってみて「また登りたい」・・・その気持ちが芽生えたら、その時が買い時です。あなたの初めての富士山が、いい一日になりますように。


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