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レインウェアとソフトシェル・ハードシェルの違い|登山で最初に買う1着はどれか

ノースフェイスの青いレインジャケット。レインウェア・ソフトシェル・ハードシェルの違いを解説 登山道具・ギア

⏱ 30秒でわかる結論

最初に買うのはレインウェアの上下1セットだけ。ソフトシェルもハードシェルも、あとからで間に合います。

レインウェアは雨だけでなく風もほぼ止めるので、ソフトシェルの役割を兼ねられます。ハードシェルは雪山に行くと決めてから考えれば十分。6年かけて日本百名山100座を歩いた私が、ソフトシェルを買ったうえで「最初は要らなかった」と思っている理由も書きます。

  • レインウェア=必携。上は軽さ、下はサイドが全開するかで選ぶ
  • ソフトシェル=レインウェアで代用できる。蒸れが気になってから考える
  • ハードシェル=雪山の道具。日帰りの低山なら要らない
  • ゴアテックスかどうか=もう決め手ではない。重さとコンパクトさを優先

→ いま買える定番8モデルの比較表へ

お店に行くと、似たような上着が3種類ならんでいます。レインウェア、ソフトシェル、ハードシェル。はたして、全部必要なのか、そして、最初どれから買えばいいのか、さっぱり分かりませんでした。

この記事では、3つの役割の違いと「最初の1着はどれか」の答えを出していきます。6年かけて日本百名山100座を歩いてきましたが、その経験から話していきます。

この記事でわかること

  • 対象読者:3種類の違いが分からず、全部買うべきか迷っている登山初心者
  • 結論:最初に買うのはレインウェアの上下1セットだけでいい。ソフトシェルはレインウェアで代用でき、ハードシェルは雪山に行くと決めてから考える
  • 見どころ:ソフトシェルを買ったのに使わなくなった理由/ハードシェルをレインウェア代わりに使う考え方

レインウェア・ソフトシェル・ハードシェルの違い

分かれ目は雨・風・雪の3つです。ここで整理すると。

種類 主な役割 防水 出番 最初に買うか
レインウェア 雨を止める。風よけにもなる あり 通年。晴れの日もザックに入れておく 買う(必携)
ソフトシェル 風よけと軽い羽織り。行動中に着る上着 なし(撥水どまり) 雪のない山。肌寒い日や風の出た稜線 欲しくなったら
ハードシェル 雪と強風から身を守る。ゴツくて重い あり 冬・雪山 最初は要らない

雨に当たるならレインウェア。風だけならソフトシェル。雪ならハードシェル。ざっくり機能的にはこうなります。

ただ、ここに役割が重なっている部分があります。レインウェアは風もほぼ止めるので、ソフトシェルの仕事を兼ねられます。ハードシェルは防水が効くので、レインウェアの代わりにもなる。3着そろえないと登れない、という場面はほとんどありません。ここを知っているのと知らないのとでは買い方に差が出てきます。

レインウェアは必携。上は軽さ、下は脱ぎ履きのしやすさ

まずレインウェア。これは雨具です。必携。今使っているのは上がノースフェイス、下がモンベルです。

基本ブランドで選ばなくていいと思います。生地が防水透湿であれば、あとは軽いもの。以前なら「予算が許せばゴアテックス」と言うところでしたが、各社色々な物も出てきています。なので、ゴアかどうかだけで選ぶ必要は、もうないと思っています。それより重さとコンパクトさ。晴れの日も含めて毎回ザックに入れておくものなので、その差は地味に効いてきます。例えばモンベルは2025年春から、看板モデルのストームクルーザーをゴアテックスではなく自社素材の「スーパー ドライテック」に切り替えています(メーカー公表値で耐水圧20,000mm以上・透湿性40,000g/m²・24hrs〈JIS L-1099 B-1法・参考値〉/2026年8月25日時点)

The North Face の GORE-TEX レインジャケット(ブルー)
ノースフェイスのレインジャケット。軽さで選んでいる

地味にこだわりたいのは、ズボンの方です。私はモンベルのストームクルーザー(フルジップパンツ)を使っています。両サイドが全部開くタイプ。登山靴を履いたまま、脱ぎ履きできます。雨がぱらついてきた時、靴を脱がずにその場ではけるのは、かなりストレスと時間を軽減できます。なお、このフルジップパンツは2026年8月時点ではドライテック レインパンツ フルジップという名前に変わっています(サイドが全開する作りは同じで、平均重量216g・#1128739)。同じ使い勝手のものを探すなら、いまはこちらです。

モンベル ストームクルーザー フルジップパンツ(STYLE 1128564)のサイドジップを全開にした状態
ズボンは両サイドがフルオープンになるものが使いやすい

面倒だからと我慢して、濡れる。これが一番よくないパターンです。濡れて体が冷えると動きが鈍くなり、行動時間が延びる。時間がかかるほど、山ではリスクが高まります。だから性能よりも先に、出しやすさと着やすさで選ぶようになりました。

山で濡れるとどうなるか。

白馬岳にストレッチのきく防水ジャケット(ミレーのティフォン)を、雨具のつもりで持って行ったことがあります。行動中は動きやすくて快適でした。ところが稜線で風と小雨に当たったら、内側が濡れてきて体が冷えた。染みたのか、蒸れが抜けきらなかったのかは分かりませんが、雨の稜線で内側が濡れると、そこから先はずっと寒いんです。天候が悪かったのもありますが、予定していた雪倉岳・朝日岳はあきらめて下山しました(その日の記録は【099座目】白馬岳 蓮華温泉ルートに書いています)。

そんなこともあって、雨具は雨具を選ぶようにしています。行動着を兼ねられるジャケットは魅力的ですが、最初の1着にするなら、素直に雨具として作られたもののほうがいいと思います。

ソフトシェルは、初心者が急いで買うものでもない

ソフトシェルは雨具ではなく、行動中に着る上着です。ウィンドブレーカーのように風を避けるのにも使えるし、ちょっと肌寒い時の羽織りにも使える。生地が柔らかいので動きやすく、汗も抜けやすいです。着心地だけで言えば、レインウェアよりずっと快適。

雪のない山は、本来ならソフトシェルの領域です。私も登り始めた頃に買いました。使っていたのは、風が強い時や休憩で体が冷えてきた時。歩いている間はいらないのですが、止まると急に寒くなるので、その時に羽織っていました。

ただ今は持って行きません。理由は単純で、荷物を減らして軽くしたいからです。

実はレインウェアでも同じことができる。風が出てきたら上だけ羽織る。休憩で冷えてきたら、同じものをそのまま着る。役割がまるごとかぶっているので、2枚持つことは無くなりました。

買ったうえで言いますが、ソフトシェルは基本的にはレインウェアで代用できます。だから初心者がわざわざ最初に買う必要は、個人的にはないと思っています。

もちろん快適さは別です。汗をかく季節に長く着るなら、ソフトシェルのほうが蒸れにくいので快適です。ただ、何回か山に行って「レインウェアだと蒸れるな」と自分で感じてから買ったらいいと思います。ザックの中身を1つ増やす判断は、あとからでも間に合います。

ハードシェルは雪山の道具。レインウェア代わりに使う人もいる

ハードシェルは冬場や雪山用です。ゴツくなるし重たい。日帰りの低山なら要りません。

雪の季節になってくると、ハードシェルも欲しくなってきます。ただ、軽い雪山なら保温層の入った防水ジャケットで済ませることもあります。私の場合、ゴツいハードシェルを引っ張り出すのは、条件が厳しい雪山から使います。冬に行きたくなった時に、そのとき必要なものを足していけば大丈夫です。

けど、ハードシェルも防水が効きます。だからレインウェアの代わりになります。実際、レインウェアを持たずにハードシェルで通している山友もいます。

理屈も分かります。雨がかなり降って風もあると、レインウェアだけだと熱を奪われやすくなります。ハードシェルなら、体温保持と雨対策の一石二鳥になるってことです。確かに一理あります。

ただ、自分はやっていません。理由は重くてかさばるので。晴れの日も含めて毎回かついで歩くことを考えると、軽いレインウェアのほうが結局合理的だ、という判断です。ただ山の高さや季節で答えが変わる場合もあります。例えば3000m級で気温も低く長雨に当たる可能性がある時なら、検討する価値はあると思います。

この記事に出てきたレインウェアと、いま買える定番

上と下は別々に選んで大丈夫です。同じメーカーで揃える必要もありません。私自身、上はノースフェイス、下はモンベルです。

上(レインジャケット)を選ぶ

4本とも防水透湿の3層生地で、カタログの上では大きく外れるものはありません。そうなると効いてくるのが重さです。

モデル(品番) 防水素材 平均重量 価格(税込) こんな人に
モンベル ストームクルーザー ジャケット Men’s
#1128733
スーパー ドライテック 3レイヤー
(ゴアテックスではない)
254g ¥22,000 上は軽さで選びたい。国産の定番から入りたい
モンベル レイントレッカー ジャケット Men’s
#1128729
ゴアテックス ファブリクス 3レイヤー 301g ¥29,200 ゴアテックスがいい。生地の丈夫さも欲しい
モンベル サンダーパス ジャケット Men’s
#1128770
ドライテック 3レイヤー 313g ¥13,600 まずは上を1枚、予算を抑えて始めたい
ザ・ノース・フェイス クライムライトジャケット
NP12501
ゴアテックス C-Knit バッカー 3層 約285g
(Lサイズ)
¥50,600 ノースで揃えたい。長く売られている型が安心

私の選び方の順番

  1. 性能(防水と透湿)。濡れて体温を持っていかれると、山では命に関わります。ここは落としません
  2. 性能が変わらないなら、軽いほう。晴れの日も含めて背負い続けた結果、手元に残ったのは軽い物ばかりでした(登山ザックの選び方でも同じことを書いています)
  3. 値段は最後。命は値段より価値があるので、山の道具を値段から選ぶことはしません

そして機能は別枠です。サイドが全開するか、フードが使いやすいか。こだわりの機能は何か。

私が今、上を買い直すなら

モンベルのストームクルーザー。この4本でいちばん軽い254gで、防水の公表値(耐水圧20,000mm以上)でも見劣りしません。なら軽いほうを取ります。

クライムライトを選ばないのは、50,600円だからではありません。性能で差がないなら軽いほうが先に来る、というだけです。

予算が厳しいならサンダーパス(13,600円)を先に。313gと重くはなりますが、雨具が無い状態がいちばん危ないので。※どちらも私は使っていません。選ぶ基準の話です。

下(レインパンツ)を選ぶ

下は見るところが違います。サイドが全開するかどうか。以下の4本は、どれも全開するタイプです。

モデル(品番) 防水素材 平均重量 価格(税込) こんな人に
モンベル ドライテック レインパンツ フルジップ Men’s
#1128739
スーパー ドライテック 3レイヤー 216g ¥18,000 私が使っている旧型の現行後継。サイドが全開して、靴を履いたまま脱ぎ履きできる
モンベル GORE-TEX レインパンツ フルジップ Men’s
#1128727
ゴアテックス ファブリクス 3レイヤー 202g ¥26,000 この4本でいちばん軽い。上もゴアテックスで揃えたい
モンベル サンダーパス パンツ フルジップ Men’s
#1128774
ドライテック 3レイヤー 263g ¥13,200 下も同時に揃えたい。予算を抑えたい
ザ・ノース・フェイス クライムライトジップパンツ
NP12502
ゴアテックス C-Knit バッカー 3層 約215g
(Lサイズ)
¥34,100 上をノースで揃えたい。こちらもサイドが全開する

下を買い直すなら

下はまず機能で絞ります。サイドが全開して、靴を履いたまま脱ぎ履きできること。「靴を脱ぐのが面倒だ」と思った瞬間、人は履かずに濡れるからです。上の4本はどれも満たしています。

そのうえで選ぶならドライテック レインパンツ フルジップ。いま使っているものの後継で、同じ使い勝手が続いているからです。ゴアテックス版は202gで14g軽いですが、14gは私には差と呼べません。予算優先ならサンダーパス パンツ フルジップが13,200円。※いま使っているのは旧世代の同型です。

この表について(お読みください)

私が実際に使っているのは、モンベルのフルジップパンツ(旧世代)と、ノースフェイスのレインジャケットの2つだけです。ジャケットのほうはタグが残っておらず、モデル名を特定できませんでした。表に並べた8本は、いずれも私の未使用品で、メーカー公表の仕様をもとにした比較候補です。着心地や蒸れ方、数年使ったあとの状態までは分かりません。また同じシリーズ名でも、いま売られているものと私の持っているものでは素材が変わっていることがあります(ストームクルーザーがまさにそれです)。

価格・重量・素材はメーカー公式サイトの表示(2026年8月25日確認/モンベル公式オンラインストア、ザ・ノース・フェイス公式ストア)。セールや年度替わりで変わります。重量はメーカー公表の平均重量で、サイズによって前後します。透湿性の数値は測定方法がメーカーごとに違って横並びで比べられないため、表には載せていません。

よくある質問

Q. レインウェアがあれば、ソフトシェルは要りませんか?
A. 雪のない日帰り登山なら基本要りません。レインウェアは風もほぼ止めるので、ソフトシェルの役割を兼ねられます。ただ何度か歩いてみて蒸れが気になってから買えば良いと思います。

Q. ハードシェルをレインウェアの代わりにしてもいいですか?
A. 防水は効くので代わりになります。実際そうしている人もいます。ただ重くてゴツいので、雨が降らない日も毎回持ち歩くことを考えると、軽いレインウェアのほうが扱いやすいです。

Q. レインウェアはゴアテックスでないとだめですか?
A. いまはゴアテックスでなくても大丈夫だと思っています。モンベルが2025年春から看板モデルを自社素材に切り替えたように、防水透湿の生地であれば、ゴアかどうかだけで決める理由は少なくなりました。それより重さとコンパクトさを優先したほうが、毎回ザックに入れて持ち歩くので地味に違いが出てきます。

Q. レインウェアは上下セットで買うべきですか?
A. 上下そろえたほうがいいです。下半身も濡れると体温を持っていかれます。ズボンは両サイドが全開になるタイプだと、登山靴を履いたまま履けて便利です。

Q. ソフトシェルとハードシェル、両方いつか買うことになりますか?
A. 雪山に行くなら、いずれハードシェルは要ります。冬用と3シーズン用は結局2つそろえる形になるので、まずは雪のない山の装備から。ソフトシェルのほうは、わざわざ最初に買う必要はないと思います。けど、多分試しに買ってみると思いますが(笑)

まとめ:最初に買うのはレインウェアの上下

こういう人 買うもの
これから日帰りの低山を始める レインウェア上下だけでいい
夏に標高の高い山・稜線を歩く レインウェア上下+防寒着。ソフトシェルはまだ後回し
歩く回数が増えて、蒸れが気になってきた そこで初めてソフトシェルを検討
雪山に行きたくなった ハードシェル(+冬用の装備一式)

迷ったら、レインウェア上下を1つ。それで雪のない山はひととおり歩けます。

  • 買う:レインウェア上下(上は軽さ、下は両サイドが開くタイプ)
  • 代用する:ソフトシェル(レインウェアで足りる。蒸れが気になってから)
  • あとで考える:ハードシェル(雪山に行くと決めてから)

店で見るところは、上は軽さ、下はサイドが開くかどうか。私が見るのはこの2つ。

100座歩いて手元に残ったのも、結局はレインウェア上下でした。ソフトシェルは買いましたが、いまはザックに入れてません。ハードシェルは雪の山に行く時。そう割り切ってしまえば、お金も選ぶ時間も少なくてすみます。

上着の順番が決まったら、次は靴とインナー。装備をどの順番でそろえるかは、登山初心者の装備は何から買う?のほうにまとめてあります。ここまで読んでくれてありがとうございました。

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