関西百名山・鈴鹿セブンマウンテン随一の鋭鋒、鎌ヶ岳(かまがたけ・標高1,161m)。
三重県と滋賀県の境、鈴鹿山脈に鋭く天を突く山容が目印で、「鈴鹿のマッターホルン」とも呼ばれる存在感抜群の山。
王道は武平峠から稜線を辿るピストンだが、今回は宮妻峡を起点にカズラ谷ルートで山頂を目指した(距離5.8km、累積標高862m、日帰り)。
2020年2月の冬季、山友と一緒に初めて使ったチェーンアイゼンが思わぬ活躍を見せた山行のリアルレポート。百名山完登者の本音でお届けする
この記事でわかること
- 宮妻峡からカズラ谷ルートの実際のコースタイム(5時間13分)と道の様子
- 冬季の鎌ヶ岳でチェーンアイゼンがどこまで使えるか
- 山頂直下の岩場と強風のリアル
- 御在所岳・鈴鹿の山々を望む山頂からの眺め
- 鈴鹿セブンマウンテン全7座の概要と登頂記録リンク
登山データ
| 項目 | データ |
|---|---|
| 山名 | 鎌ヶ岳(かまがたけ・1,161m) |
| 分類 | 関西百名山・鈴鹿セブンマウンテン |
| ルート | 宮妻峡カズラ谷ルート(ピストン) |
| 日程 | 2020年2月5日(水)日帰り |
| 行動時間 | 5時間13分(休憩含む) |
| 距離 | 5.8km |
| 累積標高 | 登り862m / 下り864m |
| 天気 | 晴れのち強風・山頂付近で吹雪 |
| 同行 | 山友1名 |

鎌ヶ岳を選んだ理由(鈴鹿セブンの鋭鋒)
鈴鹿山脈を歩いていると、どこからでも目に入るのが鎌ヶ岳の尖った山頂。御在所岳から眺めても、入道ヶ岳から眺めても、あの刃の形は一発で分かる
「鈴鹿セブンマウンテンの中で一番カッコいい山容」と言い切っていい。岩場が多くて難しそうに見えるのに、コース定数は19(「ふつう」)。見た目と実際のギャップが大きい山で、それが余計に気になっていた
休みになったので、軽装備でサクッと行こうと思い立って宮妻峡へ向かった。ところが家を出て気づいた。ポールを家に置いてきた。まあ、鎌ヶ岳くらいなら岩場を手でつかめばいいか、と切り替えて出発

アクセス・駐車場(宮妻峡 / 武平峠 / 三ツ口谷)
主な登山口と比較
| 登山口 | 距離 | 標高差 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| 宮妻峡(カズラ谷) | 5.8km | 862m | 沢沿いで変化あり。谷筋に雪が残りやすい |
| 武平峠(滋賀県側) | 3.0km前後 | 約500m | 最短ルート。稜線直接で眺めが良い |
| 三ツ口谷 | 約5km | 約750m | 秋は紅葉が美しい沢沿いルート |
宮妻峡へのアクセス
- 東名阪道「鈴鹿IC」から国道306号経由で約25分
- 宮妻峡ヒュッテ前の駐車場が起点(無料・数十台)
- 冬期は路面凍結に注意。4WDかチェーン持参を推奨
武平峠へのアクセス
- 国道477号(鈴鹿スカイライン)の武平峠トンネル西口が駐車スポット
- 冬期は鈴鹿スカイラインが閉鎖される場合あり(事前確認必須)
今回は宮妻峡から出発。カズラ谷ルートは入道ヶ岳への分岐もある周回コースの一部で、沢沿いの登りが続く

ルート詳細
宮妻峡〜カズラ谷(約1時間30分)
10時21分、宮妻峡駐車場を出発
最初は舗装路と林道をしばらく歩いて、カズラ谷の取り付きへ。沢沿いに高度を上げていく。谷の中は思ったより雪が積もっていて、「冬山だな」という雰囲気が出てきた

だんだんと雪が増えてきて、足元が滑り始める。「まあ大丈夫」と思いながら歩いたが、なかなかどうして

雪道とチェーンアイゼン
稜線に近づくにつれて雪は深くなる一方だった

沢筋を覗けば氷柱も顔を出していて、気温の低さを実感

足が滑り出したところで、お試しでAmaonで購入したチェーンアイゼンを初めて装着。これが思った以上にいい感じで、グリップが格段に良くなった。軽装備で来たわりに、ここで道具が活躍するとは。小さな収穫だな

山頂直下の岩場
標高が上がると、鎌ヶ岳らしい岩場が登場する。聞いてはいたが、これは確かに岩岩してる!!

岩に手をかけて体を引き上げていくたびに、「ポール持ってこなくて正解だったかも」と思い始める。両手が自由な方が、岩場は断然ラク
山頂が近づくにつれて、ゴーッという風の音が大きくなってきた。「もしかして撤退かな」と一瞬頭をよぎったが、実際に登り出すと風向きが良くて何とか前進できた
鎌ヶ岳の山頂と鎖場
13時07分、山頂に到着。標高1,161m!!

山頂は360度の展望

まず目に入るのは、隣の御在所岳のどっしりした山容。この鎌ヶ岳から眺める御在所はいつ見ても好きな景色だな

山頂でお昼を食べながら景色を眺める。寒い時はこれに限る、鉄板のカップラーメン

ただ、山頂の風はかなり強い。山友さんの帽子が凧のように飛んでいったのを見て、笑いながらも「早く下りた方がよさそう」(笑)

のんびりしていると、雪が舞い上がってきた。吹雪てくる???

あまり長居はできない雰囲気になってきたので、食事を済ませたらすぐに下山開始。写真はあまり撮れなかったが、景色は見られたので十分
下山・鎌ヶ岳の余韻
下山開始!!

来た道を戻るピストン。登りでは気づかなかったものが下りで目に入ることがある
下山中に滝を発見。登りの時は全然気づいていなかった。そういうもんだよな

15時24分、宮妻峡駐車場に到着。行動時間5時間13分

車に戻ってから温かいものを飲みながら、チェーンアイゼンが初活躍した山行を振り返る。意外と使えるじゃないか、あれ
鈴鹿セブンマウンテン情報
鎌ヶ岳は「鈴鹿セブンマウンテン」の1座。昭和43年に近鉄が選定した鈴鹿山脈の名峰7座で、関西の登山者にとっての定番コース
| 山名 | 標高 | 特徴 | 記録 |
|---|---|---|---|
| 藤原岳(ふじわらだけ) | 1,144m | 福寿草の名所。石灰岩の山頂 | 登頂記録を読む |
| 竜ヶ岳 | 1,099m | 草原の稜線が広がるシロヤシオの山 | 準備中 |
| 釈迦ヶ岳(しゃかがだけ) | 1,092m | 快晴なら伊勢湾まで見渡せる大展望 | 準備中 |
| 御在所岳(ございしょだけ) | 1,212m | ロープウェイもある鈴鹿の主峰 | 登頂記録を読む |
| 鎌ヶ岳(かまがたけ) | 1,161m | 鋭鋒の山容と岩場が魅力 | この記事 |
| 雨乞岳 | 1,238m | 鈴鹿最高峰。笹と湿原の稜線 | 準備中 |
| 入道ヶ岳(にゅうどうがたけ) | 906m | 椿の群生地。鈴鹿最南端の独立峰 | 準備中 |
独断と偏見で選ぶ「鎌ヶ岳の見どころ」ベスト3
第1位:山頂から見る御在所岳
鈴鹿セブンの隣の主峰がこんなに大きく見えるとは。稜線でつながっているのに、離れて見るとお互いの山容が際立つ。「大好きな御在所」という言葉が自然に出るほどの絶景だよね
第2位:山頂直下の岩場
「鈴鹿のマッターホルン」の名が伊達ではない。山頂直下は岩を手でつかんでよじ登る本格的な岩場。距離は短いが、達成感がある
第3位:チェーンアイゼンの活躍する冬の谷筋
夏は普通の沢沿いルートが、冬になると別の山のような顔になる。氷柱、雪道、凍った岩。冬山の入門として、カズラ谷ルートが面白い
装備・注意点(冬季登山)
2月の鎌ヶ岳は、思ったよりも雪が積もっていた。特に谷筋(カズラ谷ルート)は日当たりが少ないため、雪や氷が残りやすい
冬季に有効だった装備
| 装備 | ポイント |
|---|---|
| チェーンアイゼン | 凍った路面・軽い雪道に有効。軽量で携行しやすい |
| 防風グローブ | 山頂の強風対策。薄手では指が痛い |
| バラクラバ / ネックウォーマー | 山頂付近の体感温度は気温よりかなり低い |
| ヘルメット | 岩場での落石対策。岩に頭をぶつけるリスクも |
冬季の鎌ヶ岳で注意したいのは強風と山頂付近での天候急変。今回も到着直後には晴れていたが、30分ほどで吹雪き始めた。「まだ大丈夫」と粘らず、天候が怪しくなったら早めに動くのが正解
登山届はコンパスかYAMAPで事前提出を。遭難時の捜索費用に備えて、登山保険にも加入しておくと安心感が違う
よくある質問
Q. 宮妻峡カズラ谷ルートの難易度は?
一般的な体力があれば登れる中級ルート。技術的な難所は山頂直下の岩場のみで、鎖やロープも整備されている。冬季は積雪・凍結に注意が必要でチェーンアイゼンがあると安心。コース定数19(「ふつう」)。
Q. 鎌ヶ岳の登山適期はいつ?
年間を通じて登れるが、雪を楽しみたいなら12月〜2月。花(ツツジ)の季節なら4月〜5月。夏は日差しが強く稜線でやや暑い。武平峠への鈴鹿スカイラインは冬期閉鎖されるため、冬は宮妻峡か三ツ口谷からのアプローチが主流。
Q. 武平峠ルートと宮妻峡ルート、どちらがいい?
時間優先なら武平峠(最短・稜線直結)。沢沿いの変化を楽しみたいなら宮妻峡カズラ谷。ただし冬季は鈴鹿スカイラインが通行止めになるので武平峠は使えないことがある。宮妻峡は一年中アクセスできる安定したルート。
Q. 鎌ヶ岳に鎖場はある?
山頂直下に岩場・鎖場がある。高度感はそれほど強くないが、岩をつかんで体を引き上げる場面が出てくる。グローブとヘルメットがあると安心。高所が苦手な人は武平峠からのルートを選ぶか、鎖場の手前で引き返すという判断も十分あり。
Q. 入道ヶ岳との周回はできる?
宮妻峡を起点に、鎌ヶ岳・水沢岳・入道ヶ岳を周回するコースが存在する。ただし距離が増えて体力消耗も大きい。今回は体力と時間の兼ね合いで鎌ヶ岳のみで下山した。余裕があれば周回ルートも面白い選択肢。
鎌ヶ岳周辺の宿を探す
鎌ヶ岳登山の前泊・後泊に、鈴鹿・四日市・亀山エリアの宿を楽天トラベルで検索できる。下山後に温泉で疲れを取るのも鈴鹿山脈の楽しみ方のひとつ
まとめ|鎌ヶ岳に挑戦する人へ
鎌ヶ岳は、見た目の迫力に対して「登りやすい」山。コース定数19のふつう難易度なのに、あの尖った山頂に立てる。この「お得感」が鈴鹿セブンの中でも人気が高い理由だと思う
ポールを忘れて来てしまったが、岩場では両手が自由な方がむしろ快適。チェーンアイゼンは初めて使ったが、「これ必要だな」と実感した山行になった。道具は実際に使ってみて初めて値打ちが分かる
鈴鹿セブンを制覇しようとしているなら、鎌ヶ岳は早めに登っておいて損はない。御在所岳や藤原岳と合わせてエリアを攻めていくと、山と山がつながる感覚が出てきて楽しいよね
では、またどこかのお山で👋
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