
関西百名山・鈴鹿セブンマウンテンのひとつ、竜ヶ岳(りゅうがたけ・標高1,099m)。
三重県と滋賀県にまたがる鈴鹿山脈の名峰で、春のシロヤシオは「白いカーペット」とも呼ばれるほど圧巻の群落を誇る。
王道は石榑峠からのルートだが、今回は宇賀渓から中道を登り、石榑峠を経て砂山まで足を延ばす周回で挑んだ(11.0km、累積標高1,176m、8時間13分の日帰り)。
年末の鈴鹿、ガス忘れ、粘土の下り。百名山完登者の本音で、失敗も込みで冬の中道ルート攻略のリアルを詳しく紹介。
この記事でわかること
- 竜ヶ岳・宇賀渓中道ルートのリアルなコースタイムと難易度
- かさね岩・ホッチキス岩など鈴鹿らしい岩場ポイントの詳細
- 12月末の雪・強風コンディション下での注意点
- 宇賀渓駐車場の情報と砂山ボーナスコースの実態
- 鈴鹿の冬登山に必要な装備・心構え
登山データ
| 項目 | データ |
|---|---|
| 山名 | 竜ヶ岳(りゅうがたけ・1,099m) |
| 分類 | 関西百名山・鈴鹿セブンマウンテン |
| ルート | 宇賀渓 → 中道 → 山頂 → 重ね岩 → 石榑峠 → 砂山 周回 |
| 日程 | 2019年12月28日(土)日帰り |
| 行動時間 | 8時間13分 |
| 距離 | 11.0km |
| 累積標高 | 登り1,176m / 下り1,173m |
| 天気 | 曇り・山頂付近は粉雪と強風 |

今年最後の鈴鹿、中道から
12月28日。年の瀬に思い立って向かった竜ヶ岳。前日から「風が強かったらルート変更も」と考えていたが、当日の空気を読んで中道からGO。
竜ヶ岳には何度か行きたいと思っていたが、今回の目的はちゃんとあった。中道コースにある「ホッチキス」と呼ばれる突起(足場)、そして山頂付近の「重ね岩」。どちらも鈴鹿らしい個性的な地形で、一度自分の目で確かめたかった。
早めに宇賀渓の駐車場に着くと、山頂に薄く雪化粧。年末らしい空気が漂っていた。

コース詳細
宇賀渓〜滝群
宇賀渓観光案内所・竜のコバを出発し、コンクリートの林道を奥へ進む。北谷キャンプ場を過ぎ、遠足尾根コース登り口を分けてさらに上へ。

東屋を過ぎると白滝・二筋の滝、魚止滝と滝が続く。川沿いの渡渉が何度かあるが、橋には滑り止めが施されていて親切。「定員5人って少なくね?」と思わず笑った小さな橋も。


マイナスイオンが全身を覆う渓谷歩き。足元の木の根や岩には整備の方の心遣いが随所に感じられる。五階滝を過ぎたあたりから、いよいよ本格的な登りへ。


中道コース〜ホッチキス
分岐で中道コースへ。砂防堤を次々と越えながら高度を上げていく。


まず目に入ったのは「踏み潰されたホッチキス」。あれ?これが…と思ったら、少し上にもう一つ。こちらが本来の「ホッチキス」だった。


縦に刺さった金属製の足場、通称ホッチキス。タラップ式になっていて、思っていたより滑る。「無事に登れましたぁ😅」という感じ。スリル度は想定より高め。

その後も木の根の階段、岩をよじ登る場面、松の根っこエリアと、鈴鹿らしい変化が続く。




大ガレ〜山頂アタック
木漏れ日を楽しみながら高度を上げると、突然現れる「大ガレ」。岩がコロコロと音を立てながら崩れていく斜面。踏み出す一歩が軽くなる感覚。


雪がちらほらと出てきた。山頂が近づくにつれて気温もぐっと下がる。


途中、斜面の向こうに鹿の姿。写真に収めたが、わかるかなぁ。

山頂直前は足元がカチコチ・バリバリ・ザクザク。凍結した登山道に一歩一歩慎重に。

山頂到着
10:56、竜ヶ岳山頂に到着。
粉雪が舞い、風も強い。視界はそれほど広くないが、雲の隙間から鈴鹿の稜線が顔を出す。山頂標識は雪で少し白くなっていた。年末の竜ヶ岳らしい光景。

少しお正月に向けて雪化粧、という感じ。木々も白く染まり始めていた。


重ね岩
下山路の途中、目的のひとつだった「重ね岩」に到着。大きな岩が重なり合ってそそり立つ。「いでよドラゴン!」なんて思いながら眺めた(笑)。竜ヶ岳という山名の由来が少しわかる気がする岩場。


風が気持ちいい。ここまで来た甲斐があった。
まさかのガス忘れ事件
お昼ごはんを食べようとリュックを開けて気づいた。バーナーのガスを忘れた。
「時短の予定で水筒にお湯を入れておいたから危なかった……」
幸い水筒のお湯でどうにかなったが、食べ終わる頃にはすっかり冷たくなっていた。
山での失敗、誰にでもある。ガス忘れは今でも思い出すたびに苦い顔になる。持ち物チェックの大切さを身に染みて感じた日。

ボーナスコース:砂山
石榑峠駐車場を経由して林道を歩いていると、砂山の入口を発見。時間があったので寄り道。

これが想定外にきつかった。
「体力残ってない時にこれかぁー」
砂地の急斜面。上から登るか下から行くかも迷う。ヘロヘロの体に容赦ない登り。


14:49、砂山山頂に到着。日が傾き始めた空を見ながら、「来たのは自分だ」とひとり納得(笑)。


下山は階段。足が「ヤダヤダ」と言っている。

途中の休憩ベンチで一息ついて、15:52に無事下山。


下山後は宇賀渓の水場でドロドロのポールと靴を洗わせてもらった。整備してくださっている方々に感謝しかない。

アクセス・駐車場情報
車の場合
- 東名阪道「桑名IC」より国道421号経由で約30km、宇賀渓へ
- 宇賀渓周辺は道が細くなるので初めての方は注意
- 石榑峠への国道421号(旧道)は石の壁で有名。車幅制限あり
駐車場
| 駐車場 | 台数 | 料金 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 宇賀渓キャンプ場駐車場 | 数十台 | 有料 | 宇賀渓観光案内所で手続き |
| 石榑峠駐車場 | 数台 | 無料 | 石榑峠からのピストン登山者向け |
早めに到着すれば宇賀渓の駐車場はほぼ心配ない。土日は混雑することがあるので7時前には着きたい。
公共交通機関の場合
- 三岐鉄道「大安駅」からタクシーまたはルートバス(季節運行)
- 公共交通は便が少ないため、車がおすすめ
シロヤシオのシーズンは別世界
12月の竜ヶ岳は静かで良かった。でも春、特に5月下旬〜6月上旬のシロヤシオの時期は別格。山頂付近の笹原に白い花が咲き揃い、「ホワイトカーペット」と呼ばれる絶景が広がる。
シロヤシオは数年に一度しか大当たりの年がこない。去り際も早いので、タイミングが合ったなら迷わず行くべき。
冬の竜ヶ岳も鈴鹿の静かな魅力があって好きだが、春のシロヤシオはいつか必ず再訪したい。
独断と偏見で選ぶ竜ヶ岳ハイライトベスト3
第1位:かさね岩(重ね岩)
風の抜ける稜線上に鎮座する、大きな岩が重なった景観。竜ヶ岳という名前の由来を体感できる場所。眺望も開けていて、ここで過ごす時間は格別。
第2位:中道コースのホッチキス岩
鎖やタラップで登る縦穴岩。「ホッチキス」というニックネームが秀逸。思ったより滑るので油断禁物だが、無事に登ったときの達成感は大きい。
第3位:宇賀渓の渓谷歩き
白滝・二筋の滝・魚止滝と滝が連続する渓谷は、どの季節も気持ちいい。橋の滑り止め工夫など、整備の方々の心遣いにも感謝。
よくある質問(竜ヶ岳 Q&A)
Q. 竜ヶ岳のシロヤシオはいつが見頃ですか?
5月下旬〜6月上旬。年によって開花時期が前後するため、近くなったらYAMAP等の最新情報を確認するのがおすすめ。大当たりの年は「ホワイトカーペット」と呼ばれる圧倒的な群落になる。
Q. 宇賀渓から中道ルートの難易度は?
中級レベル。ホッチキス岩などの鎖・タラップ、ガレ場、木の根の急登と変化が多い。整備されているが、12月は凍結があるため軽アイゼンを携帯したい。
Q. 石榑峠ルートと宇賀渓ルートの違いは?
石榑峠ルートは短く山頂まで直登できる初心者向け。宇賀渓ルートは渓谷歩き・滝・個性的な岩場を楽しめる変化に富んだコースで、距離と標高差は大きめ。今回の記録は宇賀渓〜中道〜石榑峠〜砂山の周回。
Q. 駐車場はどこに停めればいいですか?
基本は宇賀渓キャンプ場駐車場。宇賀渓観光案内所で手続きする。シロヤシオシーズンは早朝でも満車になることがあるので5〜6時着を目標に。
Q. 砂山は寄り道する価値がありますか?
竜ヶ岳の下山後に体力が余っていれば。ただし砂地の急斜面でかなり消耗する。疲労が大きい場合は無理せず石榑峠から戻るのが賢明。
登山をより安全に楽しむために
竜ヶ岳は中級向けのルートだが、冬期は凍結・積雪があり難易度が上がる。
- 登山届:コンパスで事前提出。宇賀渓観光案内所でも記入できる
- 軽アイゼン:12月以降は必携。凍結した下りで特に効果を発揮する
- 登山保険:遭難時の捜索費用は高額になることがある。年間数千円で備えられる保険の加入を検討してほしい
- 装備チェック:ガスは忘れないように(実体験)
では、またどこかのお山で👋





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