日本二百名山、群馬・長野の県境に立つ荒船山(あらふねやま・標高1,423m)。
標高差こそ大きくはないが、艫岩(ともいわ)の大絶壁とテーブルマウンテンの異形の山容で知られる、西上州屈指の個性派の山。
王道は長野側・内山峠からのピストンだが、今回は群馬側・荒船不動尊から星尾峠を経て艫岩を目指す周回ルート(6.7km、累積483m、日帰り)。
百名山完登者の本音で、ゴールデンウィーク直前の4月末、花も展望も楽しめた一日をレポート。
この記事でわかること
- 対象読者:荒船山の荒船不動尊ルートを検討している人、艫岩の絶景を見たい人
- 結論:艫岩の大絶壁は想像以上のインパクト。駐車場は混雑しやすいが、早めに来れば問題なし
- 見どころ:艫岩の断崖絶壁・浅間山や北アルプス方面の展望・4月末のシャクナゲ開花
- コース感:登りの急登は比較的短く、艫岩手前からは歩きやすい平坦路が続く
登山データ
| 項目 | データ |
|---|---|
| 山名 | 荒船山(あらふねやま・1,423m) |
| ルート | 荒船不動尊〜星尾峠〜艫岩 往復 |
| 日程 | 2024年4月28日(日)日帰り |
| 行動時間 | 2時間19分 |
| 距離 | 6.7km |
| 累積標高 | 登り 483m / 下り 484m |
| 天気 | 晴れ |
| コース定数 | 12(ふつう) |

荒船山を選んだ理由
身体を山ならしに、そして涼しさを求めて少し高いところへ。そんなノリで選んだのが荒船山。
ただ現実は甘くなかった。4月末にしては暑い。「今年の夏はどうなるんだろう」と少し不安になりながらも歩いた一日。
荒船山は、艫岩のテーブルマウンテンという唯一無二の山容で有名な山。百名山にはないタイプの個性がある。西上州エリアの山として、妙義山や二子山とあわせて歩きたい山の一つ。

コース詳細|時間帯ごとのレポート
荒船不動尊駐車場〜登山口(09:58)
駐車場までの道が「本当にこれで大丈夫?」という山あるあるの細道。不安になりながらも進むと、荒船不動尊の駐車場に到着。
1台だけ空いていた。下にも数台停まっていたから、ちょうど下山してきた人がいて運よく空いたタイミングだったみたい。
ゴールデンウィーク前の日曜、しかも翌日はお不動さんのお祭りということで境内の準備が進んでいた。地域の行事と重なるタイミングはこういう雰囲気が味わえる。

登山口〜星尾峠(〜10:33)
お寺の横を抜けて登山道へ。最初は普通の山道をしばらく登っていく。
標高を上げると左右に木々が広がり、春らしい新緑がちらほら。4月末にしてはすでに夏みたいな暑さで、少し遅れて正解だったかも。早発ちはしたけど、この日は焦らなくてよかった。



星尾峠〜艫岩前の平坦路(10:33〜10:55)
星尾峠を過ぎると、噂通りの平らな地形が広がってくる。「荒船山はここから平ら」というのは聞いていたが、想像以上にフラット。
ただ「平ら」とはいえ距離があって、思ったより時間がかかる。歩いても歩いても艫岩まで到着しない感じが続く。



艫岩(11:29着)
やっとこさ到着。
艫岩の絶壁はやはり圧巻。見上げても、見下ろしても、すごい迫力。テーブルマウンテンの断崖がここまでインパクトがあるとは思っていなかった。
展望も抜群で、浅間山がよく見えた。雪はほぼ消えかけていた。遠くに見える山の稜線は北アルプス方面かな。



艫岩からの展望



艫岩から浅間山がはっきり見えた。4月末ともなると浅間山の雪もずいぶん減っている。遠くの雪をまとった稜線は、北アルプスの方角だろうか。
展望を堪能してから次のポイントへ。

艫岩の大絶壁を訪ねて
荒船山の最大の見どころが、この艫岩の大絶壁。
高さ200mを超える垂直の岩壁が続く。見下ろすと足がすくむような場所。「荒船(ふね)」という名前は、この平坦な山容が船に似ているから、という説がある。艫(とも)は船の後部のこと。そのまま艫(とも)岩という名前になったというのも納得できる。
テーブルマウンテンとしては日本でも珍しい形。富士山や剱岳のような「尖った峰」とは真逆の魅力がある。アフリカのテーブルマウンテン(ケープタウン)を思わせる、どこか異国感のある山容。
4月末の好天に恵まれて、展望は最高だった。
荒船山で踏み忘れたもの
今回の荒船山、実はランドマーク(経塚山・荒船山最高点)を踏み忘れた。
艫岩の絶景に満足してしまって、そのまま引き返してしまった。最高点は艫岩より少し先にある経塚山(1,422.6m)。次回はそこまで歩き切ろう。やらかしたけど、それもまた登山の思い出。
下山(〜12:18)
来た道を引き返して下山。
下山途中で地味に嫌な木製階段が出てくる。段差が均等でなくて少し歩きにくい。ここは慎重に。



12:18、無事に下山。駐車場に戻ると、出発時より車が減っていた。ゴールデンウィーク前の日曜だったが、出足が早い登山者は午前中で下山している人も多いみたい。

アクセス・駐車場情報
荒船不動尊ルートの場合(群馬側アクセス)
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 登山口 | 荒船不動尊(群馬県下仁田町) |
| 駐車場 | 荒船不動尊駐車場(無料) |
| 台数 | 10台程度 |
| 混雑 | ゴールデンウィーク前の日曜でも満車気味。早朝着推奨 |
- 駐車場までの道は細い山道。大きな車だと少し神経を使う
- 到着時すでに多くが埋まっていたが、たまたま1台空きがあって駐車できた
- 下にも停車スペースがあるため、満車でも徒歩で上がれる
内山峠ルートの場合(長野側アクセス)
王道ルートは長野側・内山峠(鋼鈑工業荒船山荘跡地付近)からのピストン。こちらの方が距離が短く、山頂(経塚山)に最短でアクセスできる。
装備・持ち物の注意点
| 装備 | ポイント |
|---|---|
| 登山靴 | 岩場・急登あり。ソールのしっかりしたものを |
| 水分 | 4月でも暑さを感じた。十分に持参 |
| レインウェア | 山の天気は急変しやすい |
| ヘルメット | 艫岩の崖付近は落石注意(不要意見もあるが念のため) |
4月末でも汗をかくほど暑かった。水分は多めに持つこと。
登山保険に入っておくと安心。年間数千円で遭難時の捜索費用もカバーされるものがある。
下山後のお楽しみ

お腹がすきすぎて、高速のSAで青ネギチャーシューミニカレーを食べた。下山後の空腹感は格別。いつもより何倍もうまく感じる。
独断と偏見で選ぶ|荒船山のおもしろポイントベスト3
第1位:艫岩の絶壁
あの垂直の断崖は本当にすごい。見た目のインパクトでは百名山・二百名山含めてもトップクラスだと思う。登ってみないと伝わらない規模感がある。
第2位:テーブルマウンテンの平坦路
稜線に出てからの「ただただ平ら」な道の感覚が独特。高山で稜線を歩いているのに、まるでハイキング気分になる不思議な区間。
第3位:荒船不動尊の雰囲気
出発前に通る荒船不動尊が、独特の山深い雰囲気を醸し出している。翌日がお祭りというタイミングで境内がにぎやかだったのも印象的。お参りしてから登山スタートする流れが気持ちいい。
よくある質問(荒船山 Q&A)
Q. 荒船山の登山難易度は?
コース定数12のふつうレベル。急登は登山口から星尾峠付近が中心で、距離も短め。艫岩手前からは平坦路が続く。体力的には比較的楽に歩けるが、艫岩の崖際は足元に注意。
Q. 荒船山の登山適期はいつ?
春(4〜5月)と秋(9〜11月)がおすすめ。4月末はシャクナゲや春の花が咲き始める頃。夏は暑さとアブが気になることも。冬季は積雪・凍結があり軽アイゼン推奨。
Q. 荒船不動尊と内山峠、どちらから登るのがいい?
内山峠から登ると最短で艫岩・経塚山にアクセスできる(王道ルート)。荒船不動尊からは距離がやや長くなるが、荒船不動尊の雰囲気も楽しめる。どちらから登っても艫岩の絶景は同じ。
Q. 荒船山の駐車場は満車になりやすい?
ゴールデンウィーク前の日曜でも満車気味だった。早朝着(7〜8時台)がおすすめ。満車時は下の路肩スペースも活用できる。
Q. 艫岩で物語山・大屋山も歩けるの?
荒船山と物語山・大屋山はそれぞれ独立した山域。荒船山から直接縦走できるルートは限られるため、組み合わせる場合は計画が必要。今回は荒船山メインで周辺山域も楽しんだが、詳細は別記事参照。
まとめ|荒船山に挑戦する人へ
荒船山の最大の魅力は、やはり艫岩の大絶壁とテーブルマウンテンの山容。
百名山完登後に登る二百名山として、「こんな個性的な山があったのか」と感動した山のひとつ。登山の体力的ハードルは高くなく、初心者でも艫岩まで十分に行ける。西上州エリアは妙義山など個性的な山が集まるエリア。
一点だけ反省、経塚山(最高点)を踏み忘れたこと。艫岩に満足してしまって、つい引き返してしまった。次に荒船山を訪れるときは、必ず経塚山まで歩き切る。
では、またどこかのお山で👋


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