日本二百名山、比良山系最高峰の武奈ヶ岳(ぶながだけ・標高1,214m)。
滋賀県大津市にあり、山頂から琵琶湖が一望できる関西屈指の絶景の山。
アクセス的にはイン谷口(バス便あり)が定番ルート。今回は最短の坊村から御殿山経由のピストン(8.5km、累積1,030m、5時間54分)で、1月の登り初めにスノーシューで絶景稜線を歩いた❄️
百名山完登者の本音で、御殿山ルートの急登具合からスノーシュー換装のタイミングまで詳しく紹介。
この記事でわかること
- 冬季の装備:アイゼン・スノーシューの装着タイミングの実体験
- 坊村の駐車場事情(正月明け週末の混雑状況)
- 山頂からの眺望(琵琶湖・鈴鹿・伊吹山まで)
- 雪山入門として武奈ヶ岳が向いている理由
登山データ
| 項目 | データ |
|---|---|
| 山名 | 武奈ヶ岳(1,214m) |
| ルート | 御殿山ルート(坊村 ピストン) |
| 日程 | 2021年1月4日(月)日帰り |
| 行動時間 | 5時間54分(休憩含む) |
| 距離 | 8.5km |
| 累積標高 | 登り1,030m / 下り1,031m |
| コース定数 | 24(ふつう) |
| 天気 | 曇りのち晴れ |

御殿山ルートを選んだ理由
武奈ヶ岳の登山道は多い。イン谷口からのルート、細川からのルートなど、地図を見るだけで迷う。
今回は「前回リベンジ」という事情があった。以前に坊村から入ったとき、天気がいまひとつだった。それに加えて新しい靴のならし、正月の登り初めを兼ねて、再び坊村から御殿山を目指すことにした。
御殿山ルートは坊村バス停のすぐそばに登山口がある。マイカーなら葛川市民センター駐車場が使える。ルートはシンプルで、独標846mまでの急登、尾根の巻道、再びの急登で御殿山という流れ。距離は8.5kmと短めだが、累積標高1,030mは侮れない。

コース詳細|時間帯ごとのレポート
駐車場〜坊村登山口(09:46〜09:53)
葛川市民センターに着いたのが09:46。車の温度計が0℃を指していた。1月の正月明けは寒い。
お昼から晴れる予報だったのでスタートを遅らせた判断は正解だったかも。ただ、駐車場はすでに混んでいた。正月週の武奈ヶ岳は人気がある。何とか1台スペースを見つけて停車。
坊村バス停まで歩いて数分で登山口へ。この時点で登山口手前から雪が積もっていた。


登山口〜アイゼン装着(09:53〜10:42)
独標まではいきなりの急登。ペースを上げたくなる気持ちを抑えて、汗をかかないペースで一歩一歩登る。
登るにつれて白さが増していく。落葉した木々の枝に雪が積もり、静かで風もなく、自分の足音だけがモフモフと聞こえる。

10:23ごろから積雪量がはっきり増えてきた。

10:42、足が滑り始めた。「そろそろアイゼン」と判断して装着。登山口からおよそ50分。標高が上がるにつれて雪が増えてきた、だいたいこのあたりが換装のタイミングと


稜線〜スノーシューに換装(10:42〜12:25)
アイゼンを履いてからは歩きやすさが段違い。踏み込むたびにキュッと雪を掴む感触が気持ちいい。
11:09、青空が見え始めた。稜線が近い証拠。


11:40ごろ、「あれ?さっきより深くない?」と感じる。膝あたりまで沈みそうな場所もあって、ぼちぼちスノーシューかな


御殿山(12:00着)から見える武奈ヶ岳の山頂——遠くに見えるが、ワサビ峠を経由する先はゆるやかな起伏の稜線歩きが続く。
12:14ごろ、「ここでチェンジ」アイゼンを外してスノーシューに交換


ワサビ峠〜山頂(12:03〜12:46)
スノーシューを履くと世界が変わる。沈まない。モフモフの雪の上をペタペタと進んでいける。テンションが上がって足も軽くなる
真っ白な稜線、青空、静寂




12:46、山頂到着!!

山頂からの眺め|琵琶湖が眼下に
360度の大パノラマ。遮るものが何もない。
東側には比良山地の稜線の向こうに琵琶湖。鈴鹿山脈や伊吹山まで見渡せる。前回は天気に恵まれなかったから、この景色は格別だった。
「この景色のために来たんだよな」と思いながら、カップラーメンを取り出す。寒いので食事はシンプルに一品だけ。琵琶湖を眺めながらラーメンをすする。最高に贅沢な昼食だった



下山|雲が出てきたので早めに
13:17ごろから雲が出始めた。長居せず行動できるうちに、と下山開始
スノーシューのまましばらく歩き、ある地点でアイゼンに換装。下りのほうが滑落リスクは高いから、慎重に判断する。


下りは早かった。雪がクッションになって、登りで苦しんだ急登がサクサクと楽しい




「また来るよ」と心の中でつぶやきながら登山口方面へ。

15:34に坊村登山口、15:40に葛川市民センターに帰還。朝に満車だった駐車場は、ほぼ空になっていた。

独断と偏見で選ぶ|武奈ヶ岳の3つの見どころ
1位:御殿山から見える西南稜の景色
登り切った御殿山で突然視界が開く。武奈ヶ岳への白い稜線が目に飛び込んでくる瞬間は「おお」となる。「まだあんなに遠い」と思いながら、ワサビ峠へ向かうあの瞬間が好き。
2位:山頂からの琵琶湖
標高1,214mから眺める琵琶湖は別格のスケール。快晴なら鈴鹿・伊吹まで見渡せる。関西では貴重な「琵琶湖を見下ろせる二百名山」。晴れた日を狙って登りたい。
3位:スノーシューで歩く稜線
冬季限定の楽しみ。沈まない、浮く、モフモフ——スノーシューが好きになるルート。深雪のシーズンなら稜線歩きでほぼ必須の装備になる。
アクセス・駐車場情報
車の場合
- 京都東IC(名神高速)から国道161号経由で約40分
- 冬季は路面凍結あり。スタッドレスタイヤ必須
駐車場
| 駐車場 | 台数 | 料金 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 葛川市民センター | 約30台 | 無料 | 坊村バス停から徒歩数分 |
正月明けの週末は朝から満車になることがある。今回は昼前後スタートでギリギリ停められたが、余裕を持つなら早朝着か平日を狙うほうが安全。
公共交通機関の場合
- JR湖西線「堅田駅」から江若交通バスで「坊村」下車
- 冬季はバスの本数が少ないため要確認
必要な装備
冬の武奈ヶ岳は、雪の状況次第で必要なものが変わる。
冬季の必須装備
| 装備 | ポイント |
|---|---|
| アイゼン(6本爪以上) | 登山口から約50分で必要になる。チェーンスパイクより爪が長いもの推奨 |
| スノーシュー | 稜線の深雪に効果絶大。なくても歩けるが、あると別世界 |
| ゲイター(スパッツ) | 雪が靴の中に入るのを防ぐ。必須に近い |
| 防寒手袋 | 山頂は氷点下。ウールや防水グローブ推奨 |
| ヘッドランプ | 冬は日が短い。念のため必携 |
冬山では登山保険の加入も強くすすめる。年間数千円から入れるものがあり、遭難時の捜索費用をカバーしてくれるタイプがある。雪山に行くなら保険は必須と考えている。
よくある質問(武奈ヶ岳 Q&A)
Q. 武奈ヶ岳の難易度は?
御殿山ルートはコース定数24(ふつう)。独標〜御殿山間の急登はきつめだが、岩場や鎖場はなく危険個所は少ない。ただし冬季は積雪量によって難易度が大きく変わる。アイゼンなしで行くのは厳しい。
Q. 冬の武奈ヶ岳にスノーシューは必要?
積雪が多い時期は稜線上で膝近くまで沈む場所もある。スノーシューがあると安定感が段違い。なければアイゼンのみでも歩けるが、疲労度は上がる。
Q. 武奈ヶ岳の登山適期はいつ?
年間を通じて登れる。紅葉の10〜11月と雪山の12〜2月が特に人気。夏は樹林帯が多く比較的涼しいが、山頂は日差しが強い。
Q. 初心者でも冬季に登れる?
夏季は体力次第で登れる山だが、冬季は雪山入門として人気のルートでも、アイゼン・スノーシューの扱いに慣れていることが前提。初めて雪山に挑戦するなら経験者への同行を強くすすめる。
Q. 坊村の駐車場は混む?
週末・祝日は朝から埋まりやすい。特に年末年始や積雪後は競争率が高い。平日か早朝着を狙うのが安心。
これから武奈ヶ岳に登る人へ
比良山系の盟主という肩書は伊達じゃない。標高1,214mとはいえ、1月の武奈ヶ岳は本格的な雪山だ。
御殿山ルートは地図上はシンプルなピストンだが、実際に歩くと、急登ゾーン・稜線歩き・深雪のスノーシュー区間と表情がどんどん変わる。飽きない。
前回天気が悪かった分、今回の琵琶湖のパノラマは格別だった。「リベンジできた」達成感と、新年最初の山という特別感と、新しい靴の感触——全部一度に味わえた山行だったな、と思う。
武奈ヶ岳、また来る。
では、またどこかのお山で👋

