赤石岳(3,121m)と悪沢岳(3,141m)。南アルプスの深部に鎮座する3,000m超の2座を、椹島から時計回りで歩いてきた。
この2座、登山口にたどり着くまでが遠い。駐車場までクネクネの山道を走り、そこからさらにマイクロバスで1時間。「登山の核心部は登山口までのアクセス」と言いたくなるレベル。
でも、その苦労の先に待っていたのは、青空の下に広がる南アルプスの大稜線だった。
この記事でわかること
- 赤石岳・悪沢岳を椹島から時計回りで歩くルートの全貌
- 2泊3日の行程と各区間のコースタイム
- 椹島へのアクセス方法とバスの注意点
- 荒川小屋・千枚小屋の水場情報
- 時計回りルートのメリット・デメリット
登山データ
| 項目 | データ |
|---|---|
| 山名 | 赤石岳(3,121m)・悪沢岳(3,141m) |
| ルート | 椹島起点・時計回り周回(赤石岳→悪沢岳) |
| 日程 | 2024年9月6日(金)〜9月8日(日) 2泊3日 |
| 行動時間 | 19時間41分 |
| 距離 | 28.8km |
| 累積標高 | 登り3,317m / 下り3,302m |
| 天気 | 晴れ(最終日は雲多め) |

時計回りルートを選んだ理由
赤石岳・悪沢岳の周回は、反時計回り(千枚小屋→悪沢岳→赤石岳)が一般的。情報も多い。
じゃあなぜ時計回りにしたのか。答えはシンプル。小屋の空きがなかっただけ(笑)
結果的に、初日に赤石小屋まで登って翌朝に赤石岳を踏み、そのまま悪沢岳へ縦走して千枚小屋に下りるルートになった。時計回りの情報が少ない理由は歩いてみてわかったけど、急勾配を登りに使うか下りに使うかのお好みの問題かも。

コース詳細|時間帯ごとのレポート
【Day1】椹島→赤石小屋(約4時間30分)
朝5時台に駐車場に到着。広い駐車場に仮設トイレあり。
ここからマイクロバスに乗って椹島まで約1時間。バスの中でも結構揺れるから、酔いやすい人は注意。


8:24に椹島に到着。椹島には水洗トイレがあって、ここで前泊するのもありだと思った。
8:39、赤石岳登山口からスタート。いきなり急登が始まる。しかもほぼ景色なし。ひたすら樹林帯を登っていく修行ゾーン。


途中、「30分我慢すればどうにかなります」という看板(?)が出てくるけど、実際はそこからまだ30分以上ある💦


13:01、赤石小屋に到着。初日はここまで。時間に余裕があるのでのんびり過ごした。

夕食にはお肉が出てきて嬉しかった。山小屋でお肉はテンション上がる。

夜は星空がきれいだった。山から見る星空は、いつ見ても格別。

【Day2】赤石小屋→赤石岳→悪沢岳→千枚小屋(約10時間)
2日目が今回のメインディッシュ。何があるかわからないので早めに出発。


朝焼けの中を歩き始める。富士山がくっきり見えた。


赤石岳の山頂が見えてるのに、なかなかたどり着かない。見えてて遠いやつ。

赤石岳山頂(6:29着)
6:29、赤石岳(3,121m)に到着。まずは1座目。青空の下、南アルプスの大パノラマが広がっていた。


赤石避難小屋で朝食をとって、モーニングうんち君にバイバイして、次は悪沢岳へ。ここからが長い。


小赤石岳〜大聖寺平〜荒川小屋
小赤石岳を越えて、大聖寺平へ下る。この稜線歩きは気持ちよかった。


8:43に荒川小屋に到着。水の消費が早い 水がジャブジャブ出ていたので頭から水をかけて体温を冷やす。そしてここで給水。水がジャブジャブ出ていてホント助かった。


前岳・荒川中岳
荒川小屋から前岳への登り返しがとにかくきつい。そしてとにかくこの日は暑かった🥵 本当に登り切れるのか不安になり、とにかく歩幅を小さく自分のペースで登っていく。
途中、崩壊箇所の注意看板あり。
時計回りで周るところで、巻道で狭いところがあるけど、気が付きにくく少し慌てるかも。100名山でこの難易度登らせる?って思う箇所がある。上の岩をよく見るとマークが薄くあるのでそこから登る。見落とさないように。



10:47に前岳、11:05に荒川中岳を通過。荒川中岳避難小屋で身体を冷やして、いざ悪沢岳へ。


悪沢岳山頂(13:01着)
荒川中岳避難小屋から悪沢岳を見上げると、「ラスボス」の名にふさわしい迫力。そして泣きそうになる登り。けど景色は最高!!


13:01、悪沢岳(3,141m)に登頂。2座目。ここまで長かった💦

千枚岳〜千枚小屋
悪沢岳を下りて、これで千枚小屋までほぼ下りだと思っていたら、伏兵の千枚岳が待っていた。HP少なめなので、弱った身体にはかなり応えた。

14:01に千枚岳を通過。このあたりで雲に飲み込まれてしまったけど、午前中は青空で稜線を楽しめたのでよしとする。

14:23、千枚小屋に到着。千枚小屋でもお水がジャブジャブ出ていた。他の登山客の到着が遅かったみたいで、寝床は1F部分をGETできた。場所は早いもの順らしい。疲れた身体に夕食のスープが激ウマだった。



【Day3】千枚小屋→椹島(約4時間)
最終日。千枚小屋からの下りは、途中に緩やかなところが多くて歩きやすかった。


林道に出たと思ったら、また山道に入るパターンが何度かあった。油断禁物。


最後の景色を名残惜しく振り返って、あとはひたすら下る。

途中で吊り橋が出現。完全に忘れてた😂 結構揺れるし、高い。高所恐怖症の人はちょっと覚悟が必要かも。



林道を登り返して、8:45に椹島に帰還。

帰りのバスは「間ノ岳号」。1時間揺られて駐車場に無事帰還。お疲れ様でした。


アクセス・駐車場情報
車の場合
- 新静岡ICから県道60号→県道27号で畑薙第一ダム方面へ
- 駐車場までの山道がかなりクネクネ。運転に慣れていない人は注意
- 駐車場は広くて、仮設トイレあり
駐車場からバス
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 区間 | 畑薙第一ダム臨時駐車場 → 椹島ロッヂ |
| 所要時間 | 約1時間 |
| 料金 | 山小屋宿泊者は無料(要予約確認) |
| 備考 | 帰りは椹島ロッヂで受付が必要 |
駐車場に5:51到着、バスに乗って椹島には8:24着。バス待ちの時間もあるので、余裕を持って到着した方がいい。
必要な装備
2泊3日・3,000m超の稜線歩きなので、しっかりした装備が必要。
必須装備
| 装備 | ポイント |
|---|---|
| 登山靴(ハイカット) | 岩場・ガレ場が多い。ソールが硬めのものが安心 |
| レインウェア | 3,000m級は天気が急変する。必ず持参 |
| 防寒着 | 9月でも山頂付近は冷える。フリースやダウンジャケットを |
| ヘッドランプ | 早朝出発が必須のルート |
| 水筒(2L以上) | 荒川小屋・千枚小屋で給水できるけど、途中は水場がない |
僕が使っている装備
登山靴はハイカットのしっかりしたもの。岩場が多いルートだから、足首のサポートがあると安心感が違う。
水筒は2Lのハイドレーション。荒川小屋と千枚小屋で水がジャブジャブ補給できるから、途中まで持てば大丈夫。
あると便利な装備
- 日焼け止め:9月でも3,000mの稜線は紫外線が強い。塗り直し必須
- サングラス:稜線歩きが長いから、目の保護にあると楽
- モバイルバッテリー:2泊3日だと充電が必要になる
南アルプスの深部を歩いた感想
正直、この山行で一番印象に残ったのは「アクセスの遠さ」かもしれない(笑)
駐車場までの山道、バスで1時間、やっとついたらそこからいきなり急登。登山口にたどり着くまでのハードルが高い。でも、だからこそ南アルプスの奥深さを感じられる。
2日目の稜線歩きは最高だった。赤石岳から見る朝焼けの富士山、悪沢岳へ続く長い稜線、青空の下を歩くあの感覚。暑くてきつかったけど、それを補って余りある景色だった。
時計回りは情報が少なくて不安だったけど、特に問題なく歩けた。小屋の予約状況によっては、時計回りも十分ありだと思う。激下りを避けて個人的には最適な選択だった。
まとめ|赤石岳・悪沢岳に挑戦する人へ
赤石岳・悪沢岳は、アクセスの遠さと行程の長さで敬遠されがちだけど、南アルプスらしいスケールの大きな山歩きができる。
椹島起点の周回が向いている人:
- 2泊3日以上の日程が取れる人
- 3,000m級の稜線歩きを楽しみたい人
- 南アルプスの深部を味わいたい人
注意が必要な人:
- 長時間の車移動やバスが苦手な人
- 体力に不安がある人(2日目の行動時間が10時間超)
- 道迷いに不安がある人(悪沢岳周辺でマーク薄い箇所あり 反時計回りなら関係ない)
荒川小屋と千枚小屋で水がしっかり補給できるのは心強い。夏場は暑さ対策を忘れずに。
よくある質問(赤石岳・悪沢岳 Q&A)
Q. 赤石岳・悪沢岳の難易度は?
体力的にはかなりハード。2日目だけで行動時間10時間超、累積標高も大きい。技術的にはそこまで難しくないけど、登山経験が十分にある人向け。
Q. 赤石岳・悪沢岳の登山適期は?
7月〜9月が一般的。僕が登った9月初旬は天気に恵まれたけど、日中は暑かった。紅葉の時期(9月下旬〜10月上旬)も良さそう。
Q. コースタイムはどれくらい?
椹島起点の周回で2泊3日、行動時間は合計約20時間。1日目:約4.5時間、2日目:約10時間、3日目:約4時間が目安。
Q. 椹島へのバスはどうやって乗る?
畑薙第一ダム臨時駐車場から東海フォレストのマイクロバスに乗車。山小屋の宿泊予約が必要(バスの利用条件は事前に確認を)。帰りは椹島ロッヂで受付してから乗車。
登山をもっと安全に楽しむために
南アルプスの深部は、一度入ると簡単にはエスケープできない。安全対策はしっかりと。
- 登山届:登山ポストに提出するか、オンラインで事前提出。家族にも計画を共有しておくと安心
- 登山保険:登山保険に入っておくと安心。年間数千円で遭難時の捜索費用もカバーされるものがある。南アルプスの奥深いエリアは救助に時間がかかるから、特に重要
- 天気予報:3,000m級は天気の急変が命取りになる。複数の天気予報を確認して、無理な行動は避けよう
では、またどこかのお山で👋


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