【079座目】聖岳 芝沢ゲート〜聖光小屋〜聖岳 往復|人力ゴンドラと庭園のような奥聖岳が待つ南アルプスの秘境

聖岳 芝沢ゲートからの南アルプス深南部 100名山

聖岳、南アルプスの3,000m峰。

登山口から小屋まで2時間歩いて、名物の人力ゴンドラを漕いで、延々と続く急登を登って、やっとたどり着く山頂。そこから見える赤石岳のドーンとした存在感。さらに足を延ばした奥聖岳は、まるで庭園のような美しさだった。

2泊3日のゆったりプランで、星空も堪能できた山旅。体力勝負だけど、その分だけ達成感がハンパない。


この記事でわかること

  • 芝沢ゲートからの聖岳ルートの全貌(2泊3日)
  • 聖光小屋・聖平小屋それぞれの宿泊レポート
  • 名物・人力ゴンドラの実態と渡渉のコツ
  • 奥聖岳まで足を延ばすべき理由
  • 駐車場確保のポイントとアクセス情報

登山データ

項目データ
山名聖岳(3,013m)
ルート芝沢ゲート〜聖光小屋〜聖岳〜奥聖岳 往復
日程2023年9月16日(土)〜18日(月) 2泊3日
行動時間19時間31分
距離30.4km
累積標高登り3,128m / 下り3,108m
天気晴れ
聖岳と青空と飛行機雲
聖岳と青空と飛行機雲

このルートを選んだ理由

聖岳へのアクセスは、基本的に芝沢ゲートから。ここからしか入れないので、ルート選択の余地はあまりない。

ポイントは日程。日帰りも可能だけど、今回は2泊3日の豪華プランにした。理由はシンプルで、聖光小屋に1泊目、聖平小屋に2泊目と分けることで、余裕を持って行動できるから。

本当は光小屋も取りたかったけど、予約が取れなかった(笑)。結果的に、2泊にしたおかげで星空も満喫できたし、正解だった。

奥聖岳への稜線。青空と緑が美しい
奥聖岳への稜線。青空と緑が美しい

コース詳細|時間帯ごとのレポート

1日目:芝沢ゲート → 聖光小屋(約2時間)

11:30に芝沢ゲート駐車場を出発。ここから聖光小屋までは約2時間の林道歩き。

途中、道路が一部崩壊している箇所があった。電柱が完全に滑り落ちていたりして、なかなかの状況。通常なら小屋の送迎があるんだけど、この年は道がヤバくて送迎なし。

トンネルもあって、夜だと確かに怖そう。振り返っちゃダメなやつ😆

道路の崩壊箇所
道路の崩壊箇所
便ヶ島への道標
便ヶ島への道標

13:21に聖光小屋に到着。この小屋がなかなか素晴らしい。

  • シャワーあり(しかもお湯が出る)
  • シャンプー・ボディーソープ備え付け(コンディショナーだけ無い)
  • 個室で布団のシーツも洗濯済み
  • トイレは水洗
  • テント泊も可能

夕食はジビエ料理(鹿肉)の塩コショウ焼き。翌朝のお弁当はおにぎり2個とたくあん・梅干し。山小屋とは思えない快適さ。

宿泊する部屋
宿泊する部屋
足水で涼む
足水で涼む
満天の星空
満天の星空

夜は満天の星空。泊まりの醍醐味はこれ。最近は星空を見たくて、泊まりの山行が増えた。まさにプライスレス。


2日目前半:聖光小屋 → 西沢渡ゴンドラ → 薊畑(約5時間半)

翌朝3:47に出発。暗い中のトンネルは風が涼しくて意外と心地いい。

暗闇の中の道
暗闇の中の道

そして登場、名物の人力ゴンドラ。

渡渉も考えたけど、暗くて水の音に圧倒されて渡渉ポイントがわからない。仲間3人と通りすがりのハイカーを捕まえて、4人で協力してゴンドラを動かした。

これがかなり重い。1人だと腕力がないと無理なレベル。最初、反対に引っ張ってしまって「重い重い」って言ってたのは内緒(笑)

名物の人力ゴンドラ
名物の人力ゴンドラ

ゴンドラで体力を奪われた直後から、延々と続く急登が始まる。急登好きにはたまらないかもしれないけど、ひたすら登る。

9:27に薊畑(あざみばたけ)に到着。ここで荷物をデポして、身軽に聖岳を目指す。水は1L持っていったけど、9月でも水切れを起こしたので、多めに持っていくのがおすすめ。

薊畑に到着
薊畑に到着

2日目後半:薊畑 → 小聖岳 → 聖岳山頂(12:08着)

薊畑から先は、徐々に展望が開けてくる。

10:40に小聖岳を通過。看板が壊れていたけど、ここからの眺めは抜群。珍しくこの時間でも富士山が見えていた☀️

小聖岳
小聖岳
富士山が見えた
富士山が見えた

稜線に出ると、青空の下に飛行機が。思わず「ひこうき〜!」って子どものように叫んでしまった😅 空の青と飛行機の組み合わせ、大好き。

聖岳山頂付近からのパノラマ
聖岳山頂付近からのパノラマ

12:08、聖岳(前聖岳)山頂に到着。標高3,013m。

山頂からは赤石岳がバーンと目の前に。避難小屋も見えた。もう少し早い時間なら悪沢岳も見えていたらしい。残念だけど、赤石岳だけでも十分すぎる景色。

聖岳山頂、奥に赤石岳
聖岳山頂、奥に赤石岳

奥聖岳へ(往復約1時間)

聖岳山頂から奥聖岳は、すぐそこに見えている。往復1時間程度なので、ぜひ足を延ばしてほしい。

聖岳から奥聖岳への稜線が、これがもう写真では伝わらないレベルで素敵。岩の感じといい、庭園のような雰囲気。チングルマのお花畑もあるらしい(僕が行った時期は終わっていたけど)。

12:46に奥聖岳到着。ここでひとりボーッと景色を眺める時間。幸せだった。

振り返ると聖岳。「あ、また帰りは登らないといけないのか」と現実に戻される(笑)

奥聖岳への稜線、庭園のような景色
奥聖岳への稜線、庭園のような景色
奥聖岳山頂でバンザイ
奥聖岳山頂でバンザイ
ひとりで景色を眺める
ひとりで景色を眺める

聖岳に行くなら、奥聖岳まで行くのを強くおすすめする。 あの庭園のような稜線は、ここでしか見られない。


2日目午後:聖岳 → 聖平小屋

13:12に下山開始。薊畑まで戻り、そこから聖平小屋へ。

下っていくと振り返って聖岳が見える。あの山頂にいたのが不思議に感じる。よくあそこまで登れたものだと、いつも振り返る時に感じる瞬間。

紅葉が少し始まっていて、秋の訪れを感じさせてくれた🍂

振り返ると聖岳
振り返ると聖岳
紅葉し始めた葉っぱ
紅葉し始めた葉っぱ

14:56に木道が見えてきたら聖平小屋はもうすぐ。

聖平小屋は聖光小屋とは対照的。この年は食事なしで、シュラフは貸してもらえる。トイレは外で使った紙はお持ち帰り。冬季小屋のロフトだったので、はしごの上り下りで足裏に激痛が走った💦 正直、テント泊でもよかったかも。

でも、仲間と乾杯する瞬間は最高🍻

木道が見えてきた
木道が見えてきた
仲間と乾杯
仲間と乾杯
聖平小屋からの星空
聖平小屋からの星空

3日目:聖平小屋 → 芝沢ゲート(約6時間)

最終日。幻想的な朝の中を出発。

幻想的な朝
幻想的な朝
聖平小屋を後に
聖平小屋を後に

ひたすら下って、西沢渡に到着。行きはゴンドラだったけど、帰りは明るいので渡渉にチャレンジ。対岸の人が渡渉ポイントを手取り足取り教えてくれて、無事に成功✌️ どうも橋は流されている模様。

帰りは渡渉にチャレンジ
帰りは渡渉にチャレンジ

ここから芝沢ゲートまでが、今回いちばん辛かった。ひたすら歩く。

途中、朝に薊畑で少し話した青年に追いつかれた。聖岳をピストンして下山してきたとか。冗談で「追いつかれるかも」って話してたら、本当に追いつかれた😭 軽量装備の重要性を痛感。UL計画が脳裏に浮かんだ。

10:55、無事に芝沢ゲート駐車場に帰還。

無事に駐車場に到着
無事に駐車場に到着
バッジの裏面
バッジの裏面

アクセス・駐車場情報

車の場合

  • 中央自動車道 飯田ICから芝沢ゲート駐車場へ
  • 駐車場までの道が狭い箇所があり、運転に注意が必要
  • 迂回路を使う場合があるので、事前に道路情報を確認すること

駐車場

駐車場台数料金備考
芝沢ゲート駐車場数十台無料仮設トイレあり

前日の0時頃には満車だったという話も。11時過ぎくらいから下山者が帰ってくるので、その時間を狙って張り込むのもアリ。僕も駐車場の管理者の方にスペースを作ってもらえた。感謝。


必要な装備

2泊3日の行程で累積標高3,000m超え。しっかりした装備が必要。

必須装備

装備ポイント
登山靴ソールがしっかりしたもの。急登+長距離なのでフィット感重視
レインウェア南アルプスは天気が変わりやすい
ヘッドライト早朝出発やトンネル通過に必須
水(2L以上)9月でも水切れのリスクあり。稜線上に水場なし
防寒着3,000m級は9月でも冷える

あると便利な装備

  • トレッキングポール:長い林道歩きと急登の下りで膝への負担を軽減
  • ヒル対策(塩・忌避剤):聖平小屋周辺でヒルに噛まれた人がいた。全然警戒していなかったので要注意💦
  • サンダル:小屋周辺でリラックスするのに便利。聖光小屋の足水が最高だった

聖岳で印象に残ったこと

正直、聖岳は体力勝負の山。長い林道歩き、人力ゴンドラ、延々と続く急登。楽な要素はほぼない。

でも、その分だけ山頂に立った時の達成感は格別。赤石岳がドーンと目の前に現れた瞬間は鳥肌もの。

そして何より、奥聖岳への稜線。あの庭園のような美しさは、聖岳だけで帰ってしまうと味わえない。往復1時間のプラスで、この山行の満足度が何倍にもなる。

2泊したことで星空も2回楽しめた。聖光小屋からの星空、聖平小屋からの星空。どちらも最高だった。

軽量は正義。帰りに追いつかれた青年を見て、心底そう思った😆


まとめ|聖岳に挑戦する人へ

聖岳は南アルプスの中でもアクセスが大変な山。でも、その分だけ人が少なく、静かな山歩きが楽しめる。

2泊3日プランが向いている人:

  • 体力に自信がないけど聖岳に登りたい
  • 山小屋泊を楽しみたい(聖光小屋は特におすすめ)
  • 星空や朝の景色もゆっくり味わいたい

日帰り・1泊の方がいい人:

  • 体力に自信がある健脚者
  • 荷物を軽くして効率よく登りたい

どちらにしても、奥聖岳までは絶対に行ってほしい。あの庭園のような稜線を見ずに帰るのはもったいない。


よくある質問(聖岳 Q&A)

Q. 聖岳の難易度は?

体力的にはかなりハード。距離30km超え、累積標高3,000m超えで、南アルプスの中でも上位の体力度。技術的な難所は少ないけど、長い行動時間に耐えられる持久力が必要。コース定数は68。

Q. 聖岳の登山適期は?

7月〜10月上旬。9月中旬に行ったけど、稜線上は水切れのリスクがあるので水は多めに。紅葉が始まる9月下旬〜10月上旬も良さそう。

Q. 芝沢ゲートからのコースタイムは?

往復コースで標準コースタイム約16時間。日帰りも可能だけど、健脚者向け。余裕を持つなら1泊〜2泊がおすすめ。

Q. 人力ゴンドラは1人でも渡れる?

腕力に自信があれば1人でも可能だけど、かなり重い。できれば複数人で協力した方がいい。明るい時間帯なら渡渉という選択肢もある。橋が流されている場合があるので、事前に情報収集を。

Q. 奥聖岳は行く価値ある?

絶対に行くべき。聖岳山頂から往復約1時間。岩と草原が織りなす庭園のような稜線は、ここでしか見られない景色。チングルマの時期(7月頃)なら花畑も楽しめる。


登山をもっと安全に楽しむために

聖岳は行動時間が長く、エスケープルートもほぼない。万全の準備で臨みたい。

  • 登山届:登山口で提出可能。オンラインでも事前に提出しておくと安心
  • 登山保険:登山保険に入っておくと安心。年間数千円で遭難時の捜索費用もカバーされるものがある。行動時間が長い山ほど、リスクは高くなる
  • ヒル対策:聖平小屋に塩が置いてあるけど、忌避剤も持参した方がいい。9月でもヒルがいるので油断禁物

では、またどこかのお山で👋

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