
百名山50座目は、知床半島の最高峰・羅臼岳。北海道遠征の3日目に登ったんだけど、この日は本当にいろいろあった。
低血糖で動けなくなった登山者への救助要請、ソールが剥がれた人の応急処置、そしてヒグマの気配…。「忘れられない登山」ってこういうことを言うんだと思う。
でも、森林限界を抜けた先の絶景と、山頂から見渡す知床の大パノラマは最高だった✨
この記事でわかること
- 羅臼岳・岩尾別温泉ルートのコース詳細と所要時間
- 駐車場の混雑状況と早朝到着のリアル
- ヒグマ対策で知っておくべきこと(フードロッカーなど)
- 山頂付近の岩場の雰囲気と注意点
- 実際に遭遇した救助要請の体験談
登山データ
| 項目 | データ |
|---|---|
| 山名 | 羅臼岳(1,661m) |
| ルート | 岩尾別温泉ルート(木下小屋 ピストン) |
| 日程 | 2022年8月13日(土)日帰り |
| 行動時間 | 11時間19分 |
| 距離 | 13.2km |
| 累積標高 | 登り1,467m / 下り1,461m |
| 天気 | 晴れ☀️ |

岩尾別温泉ルートを選んだ理由
羅臼岳には主に2つの登山口がある。岩尾別温泉側と羅臼温泉側。今回選んだのは岩尾別温泉ルート。
理由はシンプルで、羅臼温泉ルートに比べて標高差も距離も短いから。とはいえ行動時間は11時間超え。日帰りとしてはなかなかのボリューム。
前日は雨予報だったので登山口の駐車場偵察とプチ観光に充てて、1日待って天気の良い日に登った。この判断が正解だった。

コース詳細|時間帯ごとのレポート
駐車場〜木下小屋(5:29発)
朝5時過ぎに駐車場に到着。…が、もう満車🅿️
しょうがないから荷物と人を降ろして、車は下の方に路駐。いきなりのプチハプニング。人気の山はどこもそうだけど、駐車場問題は深刻。
木下小屋のところにトイレがあるので、ここで済ませてからスタート。


木下小屋〜森林限界(5:30〜8:53)
登山道はいきなり急登からスタート。汗だく💦
ひたすら樹林帯の中を登っていく。知床の森は本州の山とは空気が違う。ヒグマの生息地だから、熊鈴、熊よけスプレーは必須装備。
天気は前日の雨がウソみたいにいい感じ☀️ 1日待った甲斐があった。
長い樹林帯を抜けると、パッと視界が開ける。この瞬間がたまらない。


森林限界〜羅臼平(8:53〜10:15)
森林限界を抜けると、今度は直射日光で暑い☀️ さっきまでの涼しさはどこへやら。
前方に羅臼岳の山頂らしきピークが見えてきた。「あれかな?」って思いながら歩く時間が好き。
途中、弥三吉水や銀冷水といった水場を通過。このルートで一番キツいのが大沢の登り。ここを越えると羅臼平に出る。



羅臼平〜ヒグマ対策のフードロッカー(10:15)
羅臼平にはフードロッカーが設置されている。テン泊の際にヒグマやキツネから食料を守るためのもの。知床ならではの設備。
ここで荷物をデポして山頂を往復する人も多い。食料はフードロッカーに入れておくのが鉄則。


羅臼平〜山頂(10:15〜12:43)
ここからが核心部。巨岩がゴロゴロしている斜面を登っていく。去年登った鳥海山の新山に似た雰囲気。
…と、そのゴロゴロ岩の途中で、低血糖らしき症状で動けなくなっている登山者に遭遇。
たまたま今回のメンバーに医療関係者がいて応急処置をしてくれた。スマホは圏外だったので、山頂にいる人に伝言を頼んで救助要請。エマージェンシーシートを持ってきていたメンバー(私だが)がいて、それを掛けてあげた。まさか使うときが来るとは・・・
しばらくすると意識が戻ってきたので、山頂へ向かった。


山頂(12:43着)
百名山50座目、羅臼岳の山頂に到着✌️
山頂からの景色は、緑と青のコントラストが本当に綺麗。知床半島の先端方向、反対側の国後島方向、どちらを見ても絶景。
ただ、山頂付近は足場が不安定で「落ちるとタダじゃ済まない」ようなところもある。気を抜かないように。


下山(12:43〜16:37)
下山途中、さっき救助要請をした方が羅臼平まで自力で下山しているのが見えた。その後ヘリで救助。
ヘリを待っている間に、今度はソールが剥がれた人を発見😅 テーピングを持っていたメンバー(それも私だが)がいたので応急処置。本当にいろいろ起こる日。
ヘリに向かってポールを振って合図を送ったけど、全然わからなかったみたい。タオルの方が見えやすいかも。鏡があると反射で見えやすいらしい、ちなみにヘリの風で帽子を飛ばされた(笑)
ヘリが出たあとは、ヒグマが出る可能性もあるので残ったメンバーの方と一緒に下山。無事に登山口まで戻れた。
後で連絡が入って、ヘリで運ばれた方は病院で大丈夫そうとのこと。ほっとした。



アクセス・駐車場情報
車の場合
- 女満別空港からウトロ経由で約120km、2時間30分ほど
- 国道334号から岩尾別温泉方面へ。道は整備されている
- 知床横断道路は冬期閉鎖あり(例年11月〜4月頃)
駐車場
| 駐車場 | 台数 | 料金 | 備考 |
|---|---|---|---|
| ホテル地の涯 横の芝生 | 約10台 | 無料 | ホテル駐車場には駐車不可 |
| 木下小屋周辺 | 約10台 | 無料 | すぐ埋まる |
朝5時過ぎで満車だった。夏のハイシーズンは4時台に着かないと厳しいかも。溢れると下の方に路駐するしかない。
公共交通機関の場合
- JR知床斜里駅からバスでウトロ温泉バスターミナルへ(約50分)
- ウトロから登山口まではタクシーまたはシャトルバス(運行期間限定)
- 本数が少ないので事前に時刻表の確認を
必要な装備
知床の羅臼岳は本州の山とは環境が違う。ヒグマ対策が最重要。
必須装備
| 装備 | ポイント |
|---|---|
| 熊鈴 | 知床では必携。音が大きいものを |
| 熊撃退スプレー | 知床自然センターで1,000円/日でレンタル可 |
| エマージェンシーシート | 今回の救助で役立った。軽いし持っておくべき |
| 十分な行動食・水 | 行動時間11時間超。低血糖に注意 |
| 登山靴(ハイカット推奨) | 山頂付近の岩場対策。ソール剥がれも目撃したので靴の状態確認を |
僕が使っている装備
今回の山行で改めて思ったのは、エマージェンシーシートの重要性。軽くて小さいのに、低体温症の予防に使える。僕はザックに常に入れてる。
熊鈴は音量が大きくてしっかり鳴るタイプがおすすめ。知床の森は見通しが悪いところも多いから、存在を知らせることが大事。
あると便利な装備
- テーピングテープ:ソール剥がれの応急処置にも使える。今回実際に活躍した
- タオル:ヘリへの合図用。ポールよりも視認性が高い
北海道遠征2日目の番外編
ちなみに、登山の前日(2日目)は雨だったので知床観光を満喫。
ウトロ漁協婦人部食堂でランチ。お昼を過ぎると行列がすごいことになっていた。オシンコシンの滝も見てきた。天気が悪い日を有効活用。


下山後は月見そばで打ち上げ。卵の下に海苔が敷いてあって、ちゃんと月見っぽくなってたのが地味によかった😍

まとめ|羅臼岳に挑戦する人へ
羅臼岳は、北海道の山の中でもヒグマリスクが高いルート。装備と心構えをしっかり準備してから臨んでほしい。
岩尾別温泉ルートが向いている人:
- 日帰りで羅臼岳に登りたい人
- 比較的距離が短いルートを選びたい人
- 水場が途中にあるのがありがたい人
注意が必要な人:
- 体力に自信がない人(行動時間11時間超)
- 岩場の経験が少ない人(山頂付近は巨岩の急斜面)
- ヒグマに対する備えが不十分な人
今回の山行で学んだのは、エマージェンシーシートやテーピングといった「もしも」の装備がリアルに役立つということ。山では何が起こるかわからない。
よくある質問(羅臼岳 Q&A)
Q. 羅臼岳の難易度は?
体力的にはそこそこハード。行動時間が長いので、日頃からトレーニングしている人向け。技術的には山頂付近の岩場を除けば、特別難しいところはない。
Q. 羅臼岳の登山適期は?
6月下旬〜9月下旬。7〜8月がベストシーズン。雪渓が残る時期はアイゼンが必要になることもある。
Q. 岩尾別温泉ルートのコースタイムは?
標準コースタイムは約9時間30分。僕は11時間19分かかったけど、救助活動の時間も含まれている。休憩込みで10〜11時間は見ておいた方がいい。
Q. 羅臼岳にヒグマは本当に出る?
出る。知床はヒグマの生息密度が非常に高い。熊鈴と熊撃退スプレーは必携。知床自然センターでスプレーのレンタルもできる。
登山をもっと安全に楽しむために
今回の山行では実際に救助要請が発生した。山では何が起こるかわからないからこそ、事前の備えが大切。
- 登山届:必ず提出しよう。オンラインで「コンパス」から簡単に出せる
- 登山保険:登山保険に入っておくと安心。年間数千円で遭難時の捜索費用もカバーされるものがある。特に知床のような奥地では救助費用が高額になりやすい
- ヒグマ講習:知床自然センターでヒグマについてのレクチャーを受けられる。初めて知床を訪れる人はぜひ立ち寄ってほしい
では、またどこかのお山で👋


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