
薬師岳の山頂から見た朝焼け。槍ヶ岳すら脇役にしてしまうほどの大パノラマ。
折立を起点に2泊3日で薬師岳と黒部五郎岳を歩いてきた。当初は白峰三山を予定していたけど、天気が怪しかったので急遽こちらにルート変更。結果的に、早朝の薬師岳山頂からの絶景と、黒部五郎カールの圧倒的なスケール、そしてそこまでの稜線に出会えて大正解だった。
午後は天気が崩れやすいから、午前中に勝負をかけるスタイルで2座を制覇。ソロだからこそ臨機応変に動けた山行を振り返る。
この記事でわかること
- 折立から薬師岳・黒部五郎岳を2泊3日で歩くルートと行程
- 薬師岳山荘・黒部五郎小屋の宿泊レポート
- 早朝の薬師岳山頂から見える絶景の詳細
- 黒部五郎カールの魅力とコースの注意点
- 水場・装備・アクセスなどの実践的な情報
登山データ
| 項目 | データ |
|---|---|
| 山名 | 薬師岳(2,926m)・黒部五郎岳(2,840m) |
| ルート | 折立起点 縦走(薬師岳山荘・黒部五郎小屋泊) |
| 日程 | 2022年8月5日(金)〜8月7日(日) 2泊3日 |
| 行動時間 | 26時間35分(3日間合計) |
| 距離 | 44.4km |
| 累積標高 | 登り3,620m / 下り3,620m |
| 天気 | 午前晴れ→午後ガス・雷の繰り返し |

折立からのルートを選んだ理由
もともとは白峰三山(北岳・間ノ岳・農鳥岳)を縦走する予定だった。でも天気予報を見たら、そっちはダメ。
薬師岳・黒部五郎岳方面なら、午前中は天気がもちそう。本当は雲ノ平の周回(去年のリベンジ)をしたかったけど、雷が怖いしソロだから無理はしない。薬師岳と黒部五郎岳の2座に絞って、余裕を持った行程を組んだ。
結果的にこの判断が正解。午前中のうちに山頂を踏んで、午後はガスが出ても小屋でのんびりできた。

コース詳細|時間帯ごとのレポート
【1日目】折立→太郎平小屋→薬師岳山荘(約6時間)
朝7:15に折立駐車場に到着。平日なのにほぼ満車だったのには驚いた。登山口にはトイレと自販機あり。自販機は200円でお札が使えないから、小銭を用意しておこう。


序盤はガスの中を歩く。標高を上げていくと、だんだん雲の上に出てきた。

11:30ごろ太郎平小屋に到着。ここで名物のラーメンをいただく。山で食べるラーメンは格別。塩分が体に染みる。


太郎平小屋から薬師峠のテン場を通過して薬師岳方面へ。途中の沢沿いは滑りやすいから注意。


13:30ごろ薬師岳山荘に到着。山頂方面を見ると…ガスで真っ白。この日の山頂アタックは諦めて、翌朝に切り替えた。


夕食の味噌汁がめちゃくちゃうまい。たっぷり汗をかいた体に塩分が染みわたる。

【2日目】薬師岳山頂→太郎平小屋→黒部五郎岳→黒部五郎小屋(約11時間)
2日目がこの山行のハイライト。暗いうちに出発して薬師岳山頂を目指す。
3:58に出発。暗い中を歩くと迷いやすいポイントがあるから、ヘッドライトは必須。避難小屋跡を過ぎたあたりから空が明るくなってきた。


朝露を纏った高山植物の間を歩いていると、朝焼けが始まった。


薬師岳山頂(5:15着)
5:15、薬師岳山頂に到着。
この景色は言葉にならない。北アルプスの山々が360度見渡せる。槍ヶ岳がくっきり見えるけど、この大パノラマの中では脇役にすら感じてしまうほど。



しばらく景色を堪能してから、太郎平小屋方面へ下る。途中テン場で水を補給して、小屋で朝の弁当をいただいた。


太郎平小屋→黒部五郎岳へ(約6時間)
太郎平小屋から黒部五郎岳へ向かう。ここからが長い稜線歩き。
北ノ俣岳、赤木岳を越えていく。この稜線は開放感があって気持ちいい。


ただ、時間が経つにつれてガスが出てきた。やっぱり午後になると天気が崩れる。先が見えない中をひたすら登るのは精神的にもきつい。


途中でオコジョに遭遇。こんなところで出会えるとは。

黒部五郎岳山頂(13:10着)
ザックをデポして山頂へ。13:10、黒部五郎岳に登頂。ガスが一瞬切れて、景色が見えた。


黒部五郎カール→黒部五郎小屋(約2時間)
山頂から黒部五郎小屋へ向かう道がまた最高だった。黒部五郎カールの中を歩く。
スケールがすごい。何度も振り返ってしまう。カールの底から見上げる岩壁と緑のコントラストに見とれてしまった。



ただ、小屋が見えてからが意外と長い。見えてからもしばらく歩く。15:11に黒部五郎小屋に到着。


夕食ではご飯と味噌汁を3回もお代わりしてしまった💦 山小屋のご飯は最高。

【3日目】黒部五郎小屋→太郎平小屋→折立(約9時間)
最終日。心残りはあるけど、次の日は仕事だからさっさと帰らないと。4:19に黒部五郎小屋を出発。

黒部五郎の肩まで登り返すと、朝日が昇ってきた。3日目にしてこの景色。贅沢すぎる。


肩で朝ごはんを食べながら、今日も槍ヶ岳を眺める。何度見ても飽きない。


あとは太郎平小屋経由で折立まで。長い道のりだけど、途中で太郎山にも寄り道。ここから太郎平小屋と薬師岳が一望できる。


太郎平小屋から折立まではひたすら下る。13:16に無事下山。

帰りにダムに立ち寄って、SAで白えびの塩ラーメンを食べて帰宅。富山まで来たらこれを食べないと。


アクセス・駐車場情報
車の場合
- 北陸自動車道・立山ICから有峰林道経由で約40km
- 有峰林道は通行料が必要(普通車1,900円)
- 6月中旬〜11月上旬のみ通行可能。冬期閉鎖あり
- 有峰林道の開門時間に注意(通常6:00〜20:00)
駐車場
| 駐車場 | 台数 | 料金 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 折立駐車場 | 約70台 | 無料 | 平日でもほぼ満車になることあり |
| 折立臨時駐車場 | 約30台 | 無料 | 満車時に開放 |
平日の金曜朝7時で駐車場はほぼ満車だった。夏のハイシーズンは早めに到着しておくのがベスト。
公共交通機関の場合
- 富山駅から富山地鉄バスで折立まで直通バスあり(夏季限定・要予約)
- バスの本数が限られるので、事前に時刻表を確認しておこう
必要な装備
2泊3日の小屋泊縦走なので、日帰りとは準備が変わってくる。
必須装備
| 装備 | ポイント |
|---|---|
| ヘッドライト | 早朝出発が多いので必須。暗い中の薬師岳山頂アタックは迷いやすい |
| レインウェア | 午後は雷雨リスクあり。上下セパレートタイプを |
| 防寒着 | 8月でも朝は寒い。フリースかダウンを1枚 |
| 水筒(1.5L以上) | 薬師岳山荘は水場なし。途中で確保する必要あり |
僕が使っている装備
今回の縦走では着替えを多めに持っていった。2泊3日で汗だくになるから、速乾性のベースレイヤーは2〜3枚あると快適。
ヘッドライトは明るさ重視で選んでいる。暗い中の登山道は足元が見えないと危険だし、分岐を見落とす。
あると便利な装備
- お茶漬けの素:小屋のご飯にかけると最高。今回の備忘録から学んだ(笑)
- 小銭:折立の自販機はお札が使えない。200円分の小銭を用意しておこう
- モバイルバッテリー:2泊3日だとスマホの充電が不安。小屋によっては充電できないことも
振り返り|天気に翻弄されたけど最高の3日間
正直、天気には悩まされた。午前中は晴れるけど午後はガス&雷のパターンが3日間続いた。
でも、それを逆手にとって「午前中に勝負をかける」戦略がうまくハマった。特に2日目の早朝、薬師岳の山頂から見た朝焼けは忘れられない。360度の大パノラマ、槍ヶ岳すら脇役に感じるスケール感。あれを見るためだけでも、早起きする価値がある。
黒部五郎カールも圧巻だった。山頂からカールの底を通って小屋まで下る道は、何度も振り返ってしまうほどの景色。写真じゃ伝わらないスケール感がそこにある。
ソロだからこそ、天気を見ながら柔軟にプランを変えられた。それがこの山行の一番の収穫かもしれない。
まとめ|薬師岳・黒部五郎岳に挑戦する人へ
折立から薬師岳・黒部五郎岳の2座を狙うなら、2泊3日がちょうどいい。1泊2日だとかなりハードだし、天気の変化に対応する余裕がなくなる。
この縦走ルートが向いている人:
- 北アルプスの長い稜線を歩きたい人
- 小屋泊でのんびり山を楽しみたい人
- 黒部五郎カールを間近で見たい人
注意が必要な人:
- 体力に不安がある人(3日間で44km、累積標高3,600m超え)
- 午後の雷雨が苦手な人(夏場は午後にガスが出やすい)
薬師岳山荘は水場がないので、途中の沢で水を確保しておくのがポイント。黒部五郎岳から黒部五郎小屋までは見えてからが長いから、時間に余裕を持っておこう。
よくある質問(薬師岳・黒部五郎岳 Q&A)
Q. 薬師岳・黒部五郎岳の難易度は?
技術的には特別な難所はない。ただし距離が長く、累積標高も大きいので体力は必要。登山道は整備されているけど、早朝の暗い中は分岐を見落としやすいから注意。
Q. 登山適期は?
7月中旬〜9月下旬がベスト。有峰林道の開通期間(6月中旬〜11月上旬)に合わせて計画しよう。8月は午後に雷雨が多いので、早朝出発がおすすめ。
Q. 1泊2日で薬師岳と黒部五郎岳を回れる?
かなり健脚なら不可能ではないけど、おすすめしない。2泊3日なら天気の変化にも対応できるし、カールの景色をゆっくり楽しむ余裕もある。
Q. 薬師岳山荘の水場は?
薬師岳山荘には水場がない。薬師峠〜薬師平の間にある沢で水を確保しておくのがおすすめ。ペットボトルや水筒に多めに汲んでいこう。
登山をもっと安全に楽しむために
2泊3日の縦走は行動時間が長くなるし、天気の急変リスクもある。事前準備はしっかりしておきたい。
- 登山届:折立登山口で提出できる。オンラインでも事前に提出可能。長期縦走こそ必ず出そう
- 登山保険:登山保険に入っておくと安心。年間数千円で遭難時の捜索費用もカバーされるものがある。2泊3日の縦走は行動範囲が広いから、もしものときの備えは大事
- 天気予報:午後の雷雨パターンが多い夏場は、山の天気予報をこまめにチェック。行動計画を柔軟に変えられる準備をしておこう
では、またどこかのお山で👋

