【20・21座目】鷲羽岳・水晶岳 新穂高から2泊3日|北アルプス最深部で足がつって動けなくなった話

100名山

北アルプスの最深部、鷲羽岳と水晶岳。新穂高から片道2日かけてやっとたどり着ける、まさに秘境の百名山。

この山行、最高の景色に出会えた反面、暑さと荷物の重さで両足がつって身動きが取れなくなるという、かなりヤバい状況に陥った。頭の中で「ツェルトあるし、ここでビバクするか…」と本気で考えたレベル💦

結果的には仲間の助けもあって無事に下山できたけど、「最悪の事態に備えて最大の努力を」という言葉を痛感した山行だった。


この記事でわかること

  • 新穂高から鷲羽岳・水晶岳への2泊3日ルートの詳細
  • 小池新道〜双六小屋〜三俣山荘のコースタイムと注意点
  • 鷲羽岳・水晶岳の山頂からの絶景レポート
  • 真夏の北アルプス縦走で足がつった体験と対策
  • 駐車場・山小屋・装備の実践的な情報

登山データ

項目データ
山名鷲羽岳(2,924m)・水晶岳(2,986m)
ルート新穂高〜小池新道〜双六小屋〜三俣山荘〜鷲羽岳〜水晶岳〜三俣蓮華岳〜双六小屋〜新穂高
日程2021年7月17日(土)〜19日(月) 2泊3日
行動時間31時間25分
距離45.3km
累積標高登り3,531m / 下り3,687m
天気1日目:晴れ → 2日目:晴れのち雨 → 3日目:晴れ

このルートを選んだ理由

鷲羽岳と水晶岳、どちらも北アルプスの奥地にあって日帰りはほぼ不可能。新穂高から小池新道を使って双六小屋経由で入るのが、一番メジャーなルート。

今回はもともと雲ノ平まで行く計画だったけど、体調の問題で断念。それでも鷲羽岳・水晶岳の2座をしっかり踏めたから、十分満足の山行になった。

長い林道歩きが続く
長い林道歩きが続く

コース詳細|時間帯ごとのレポート

【1日目】新穂高〜双六小屋(約12時間)

鍋平駐車場〜新穂高登山口(04:06〜05:14)

駐車場が満車で、鍋平園地駐車場からのスタートになった。これだけで30分のロス。7月の3連休、甘く見てた💦

まだ薄暗い中を歩き出す。雨に濡れた道が滑りやすくて、注意しながら進む。この時点でもう暑い。夏の北アルプス、朝4時でちょっと動いてこの暑さはキツい。

鍋平園地駐車場からスタート
鍋平園地駐車場からスタート
登山道入口に到着
登山道入口に到着

小池新道入口〜わさび平小屋(05:14〜06:19)

林道歩きが長い。ここからが本番…と思いきや、まだまだ長い道のり。

わさび平小屋に到着。冷たいフルーツが並んでて美味しそう。「帰りに食べよう」と心に決めて先へ進む。

わさび平小屋
わさび平小屋
冷やされたフルーツ
冷やされたフルーツ

わさび平〜鏡平〜双六小屋(06:19〜15:46)

わさび平を過ぎると、やっと山道らしくなってくる。沢沿いの道は涼しくて気持ちいい。

ところが、標高を上げるにつれて暑さが容赦なく襲ってくる。雲ひとつない青空は嬉しいけど、直射日光がキツすぎる☀️

鏡平に着いた頃にはもうバテバテ。暑すぎてかき氷を食べた。生き返る。

青空の下の登山道
青空の下の登山道
鏡平のかき氷
鏡平のかき氷
稜線からの絶景
稜線からの絶景

そしてここからが地獄だった。暑さと荷物の重さで両足がつり始める。登るのも下るのもままならない状態。頭の中で「ツェルトもダウンもあるし、ここでビバクするか…」と真剣に考えた。

仲間の1人も足がつりだし、仲間の励ましと、だましだましの歩きで何とか双六小屋に到着。15時46分。予定よりかなり遅れた。本当は三俣山荘で1泊予定だったが、双六小屋が空いていたので三俣山荘に事情を話キャンセル。今晩は双六小屋に泊まることにする。

足がつりながらの稜線歩き
足がつりながらの稜線歩き
槍ヶ岳方面の眺望
槍ヶ岳方面の眺望
何とか双六小屋に到着
何とか双六小屋に到着

小屋に着いてからは、お腹ペコペコでごはんを美味しくいただいた。明日に備えて早めに就寝。

小屋での食事
小屋での食事

【2日目】双六小屋〜三俣山荘〜鷲羽岳〜水晶岳〜三俣山荘(約13時間)

双六小屋〜三俣山荘(04:28〜08:09)

2日目の朝。朝日を浴びながら三俣山荘を目指す。

途中、雪渓があった。軽アイゼンは持ってきていたけど、体力に自信がなかったので迂回ルートを選択。安全第一。雪渓はツボ足でも行けたけど、慎重に。

2日目の朝日
2日目の朝日
雪渓の迂回ルート
雪渓の迂回ルート
朝の山々の景色
朝の山々の景色

三俣山荘に到着。ここで荷物をデポして身軽になる。これが大正解。重い荷物から解放されると足取りが全然違う😆

三俣山荘に到着、荷物をデポ
三俣山荘に到着、荷物をデポ

三俣山荘〜鷲羽岳(08:09〜09:57)

さあ、いよいよ鷲羽岳へ。三俣山荘から見上げる鷲羽岳は迫力がある。

ガレ場を慎重に登っていく。雨の日はオススメしない岩場が続く。でも天気は最高。振り返ると穂高連峰、立山連峰がバーンと見える。

鷲羽岳への登り
鷲羽岳への登り
ガレ場の岩稜帯
ガレ場の岩稜帯
稜線からの展望
稜線からの展望

鷲羽岳(2,924m)登頂。 20座目。

山頂からの展望は360度の大パノラマ。槍ヶ岳、穂高連峰、立山連峰、そして目の前に水晶岳。北アルプスの真ん中にいるという実感がすごい。

鷲羽岳山頂
鷲羽岳山頂

鷲羽岳〜ワリモ岳〜水晶岳(09:57〜12:24)

鷲羽岳からワリモ岳を越えて水晶岳へ。ワリモ岳の岩場は尖っていて、刺さりそうなくらい鋭い。

水晶小屋に着いたらTシャツをゲット。ここでさらに荷物をデポして、身軽に水晶岳を目指す。

ワリモ岳への稜線
ワリモ岳への稜線
ワリモ岳の鋭い岩
ワリモ岳の鋭い岩
水晶小屋
水晶小屋

水晶岳への最後の登りは岩場が続く。安全第一で慎重に。あと少しのところが一番気を抜けない。

水晶岳への岩場
水晶岳への岩場
山頂まであと少し
山頂まであと少し

水晶岳(2,986m)登頂。 21座目。

ほんとに来れた。感無量。ずっと行きたかった水晶岳の山頂からの景色は、言葉にならないくらい美しかった。黒部源流の谷が眼下に広がり、遠くには黒部ダムも見える。北アルプスの最深部にいるという感動。

水晶岳山頂で感無量
水晶岳山頂で感無量
山頂から黒部ダム方面の展望
山頂から黒部ダム方面の展望

水晶岳〜三俣山荘(12:24〜17:38)

水晶岳から戻る途中、黒部源流を通る。水場もあって、冷たい水が美味しい。

お花畑も綺麗で、7月の北アルプスならではの景色。

黒部源流の水場
黒部源流の水場
登山道沿いのお花
登山道沿いのお花
降り出した雨
降り出した雨

しかし、途中から雨が降り出す。小屋に着く頃にはさらにひどくなった。天候と体力を考えて、雲ノ平は次回のお楽しみに。

黒部源流の標識
黒部源流の標識
雨の中、小屋に到着
雨の中、小屋に到着

夜は満天の星空。夕方の雨が嘘のように晴れ渡り、流れ星も見えた✨

満天の星空
満天の星空

【3日目】三俣山荘〜三俣蓮華岳〜双六小屋〜新穂高(04:37〜14:11)

三俣山荘〜三俣蓮華岳〜双六小屋(04:37〜08:13)

最終日。三俣蓮華岳を経由して帰路へ。

三俣蓮華岳からの稜線歩きが最高に気持ちいい。どこまでも続く稜線。長いけど飽きない景色が続く。

雲の境目がくっきり見えるのも、高山ならでは。

3日目の朝
3日目の朝
三俣蓮華岳山頂
三俣蓮華岳山頂
どこまでも続く稜線
どこまでも続く稜線
雲の境目
雲の境目
飽きない稜線歩き
飽きない稜線歩き

双六小屋〜わさび平〜新穂高(08:13〜14:11)

双六小屋から弓折乗越を経由して、小池新道を下る。長い下りだけど、行きとは違って足は大丈夫。足裏が痛くなり途中の川で足を冷やしたが

わさび平小屋で、行きに「帰りに食べよう」と決めていたキュウリをパクリ。冷たくて美味い。

わさび平のキュウリ
わさび平のキュウリ

そして長い林道を歩いて、14:11に新穂高に無事下山。2泊3日の山旅、終了。

無事に下山
無事に下山

アクセス・駐車場情報

車の場合

  • 高山ICもしくは松本ICから新穂高温泉方面へ
  • 高山ICからは国道158号〜平湯〜国道471号で約1時間30分
  • 松本ICからは国道158号〜安房トンネル経由で約1時間30分

駐車場

駐車場台数料金備考
新穂高ロープウェイ登山者用無料駐車場約150台無料すぐ満車になる
鍋平園地駐車場約200台無料登山口まで徒歩30分
市営新穂高第3駐車場約150台6時間まで無料、以降有料登山口に近い

今回は3連休で朝4時の時点で新穂高の駐車場が満車。鍋平園地駐車場に停めることになって、30分のロスが出た。連休は前日早めの入りを強くオススメする。

公共交通機関の場合

  • JR高山駅から濃飛バスで新穂高温泉バス停下車(約1時間40分)
  • JR松本駅からアルピコ交通バスで平湯温泉乗り換え、新穂高温泉下車
  • バスの本数は少ないので、事前に時刻表を確認すること

必要な装備

2泊3日の北アルプス縦走。荷物が重くなるからこそ、取捨選択が大事になる。

必須装備

装備ポイント
登山靴(ハイカット)岩場・ガレ場が多いのでしっかりしたもの
ザック(40〜50L)小屋泊なら40L、テント泊なら50L以上
レインウェア午後から天気が崩れやすい。必ず持参
軽アイゼン7月でも雪渓が残っている。念のため
ヘッドランプ早朝出発には必須
ツェルト万が一のビバク用。今回本気で使うか悩んだ

僕が使っている装備

今回の山行で痛感したのは、荷物の軽量化がどれだけ大事かということ。重い荷物で真夏の長距離を歩くと、足への負担が半端ない。

軽量化のポイントとしては、ザックそのものを軽いものにするだけで1kg以上変わる。体力に自信がない人ほど、装備の軽量化に投資する価値がある。

足つり対策として、電解質タブレットや芍薬甘草湯は必携。今回これがあれば、もう少し楽だったかもしれない。

あると便利な装備

  • 電解質タブレット:夏の長距離縦走では汗で塩分が失われる。足つり防止に必携
  • サングラス:稜線は日差しが強烈。目の保護に
  • 日焼け止め:標高2,500m以上の紫外線は平地の比じゃない

北アルプス最深部で学んだこと

この山行は、最高の景色と最悪のコンディションが同居した山行だった。

穂高連峰、立山連峰、槍ヶ岳…見渡す限りの北アルプスの山々。満天の星空に流れ星。黒部源流の静けさ。水晶岳山頂から見た景色は、今でもはっきり覚えてる。

でも同時に、「このまま動けなくなるかもしれない」という恐怖も味わった。前の週に軽めの山に登っただけだったのに、いきなり2泊3日の重装備縦走。暑さと荷物の重さで体が悲鳴を上げた。

教訓はシンプル。体力と装備のバランスを甘く見ない。 特に夏の長距離縦走は、暑さによる消耗が想像以上に大きい。


まとめ|鷲羽岳・水晶岳に挑戦する人へ

北アルプスの最深部だけあって、アプローチが長い。体力・天候・装備、すべての準備が求められる山。でも、その分たどり着いたときの感動は格別。

このルートが向いている人:

  • 北アルプスの縦走経験がある人
  • 2泊3日以上の行程が組める人
  • 体力に自信がある(1日8時間以上歩ける)人

注意が必要な人:

  • 長距離縦走が初めての人(まずは1泊2日の縦走から)
  • 真夏に行く場合は暑さ対策と足つり対策を万全に
  • 荷物が重くなりがちな人は軽量化を真剣に考えるべき

雲ノ平には行けなかったから、次はリベンジしたい。鷲羽岳・水晶岳・雲ノ平をセットで回るのが、このエリアの完全攻略ルートだと思う。


よくある質問(鷲羽岳・水晶岳 Q&A)

Q. 鷲羽岳・水晶岳の難易度は?

技術的な難所は少ないけど、アプローチの長さが最大の難関。新穂高から三俣山荘まで片道約20km。体力勝負の山。水晶岳の山頂直下は岩場があるので慎重に。

Q. 鷲羽岳・水晶岳の登山適期は?

7月中旬〜9月下旬。7月は雪渓が残っていることがあるので軽アイゼンがあると安心。8月がベストシーズンだけど、お盆は混雑する。

Q. 新穂高からのコースタイムは?

一般的には、新穂高→双六小屋(約8〜9時間)、双六小屋→三俣山荘(約3時間)、三俣山荘→鷲羽岳→水晶岳往復(約6〜7時間)。最低2泊3日は必要。

Q. 初心者でも登れる?

単独での初心者にはオススメしない。最低でも北アルプスの1泊2日縦走の経験があった方がいい。距離が長く、山小屋間の間隔も広いため、体力と判断力が求められる。


登山をもっと安全に楽しむために

北アルプスの奥地は、何かあっても簡単に下山できない。事前の備えが本当に大切。

  • 登山届:必ず提出。新穂高登山口にもポストがあるし、オンラインでも提出できる
  • 登山保険:登山保険に入っておくと安心。年間数千円で遭難時の捜索費用もカバーされるものがある。今回のように足がつって動けなくなる事態も、山では十分あり得る
  • 山小屋の予約:夏のハイシーズンは要予約。特に双六小屋・三俣山荘は人気が高い

では、またどこかのお山で👋

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