北アルプスの最深部、鷲羽岳と水晶岳。新穂高から片道2日かけてやっとたどり着ける、まさに秘境の百名山。
この山行、最高の景色に出会えた反面、暑さと荷物の重さで両足がつって身動きが取れなくなるという、かなりヤバい状況に陥った。頭の中で「ツェルトあるし、ここでビバクするか…」と本気で考えたレベル💦
結果的には仲間の助けもあって無事に下山できたけど、「最悪の事態に備えて最大の努力を」という言葉を痛感した山行だった。
この記事でわかること
- 新穂高から鷲羽岳・水晶岳への2泊3日ルートの詳細
- 小池新道〜双六小屋〜三俣山荘のコースタイムと注意点
- 鷲羽岳・水晶岳の山頂からの絶景レポート
- 真夏の北アルプス縦走で足がつった体験と対策
- 駐車場・山小屋・装備の実践的な情報
登山データ
| 項目 | データ |
|---|---|
| 山名 | 鷲羽岳(2,924m)・水晶岳(2,986m) |
| ルート | 新穂高〜小池新道〜双六小屋〜三俣山荘〜鷲羽岳〜水晶岳〜三俣蓮華岳〜双六小屋〜新穂高 |
| 日程 | 2021年7月17日(土)〜19日(月) 2泊3日 |
| 行動時間 | 31時間25分 |
| 距離 | 45.3km |
| 累積標高 | 登り3,531m / 下り3,687m |
| 天気 | 1日目:晴れ → 2日目:晴れのち雨 → 3日目:晴れ |
このルートを選んだ理由
鷲羽岳と水晶岳、どちらも北アルプスの奥地にあって日帰りはほぼ不可能。新穂高から小池新道を使って双六小屋経由で入るのが、一番メジャーなルート。
今回はもともと雲ノ平まで行く計画だったけど、体調の問題で断念。それでも鷲羽岳・水晶岳の2座をしっかり踏めたから、十分満足の山行になった。

コース詳細|時間帯ごとのレポート
【1日目】新穂高〜双六小屋(約12時間)
鍋平駐車場〜新穂高登山口(04:06〜05:14)
駐車場が満車で、鍋平園地駐車場からのスタートになった。これだけで30分のロス。7月の3連休、甘く見てた💦
まだ薄暗い中を歩き出す。雨に濡れた道が滑りやすくて、注意しながら進む。この時点でもう暑い。夏の北アルプス、朝4時でちょっと動いてこの暑さはキツい。


小池新道入口〜わさび平小屋(05:14〜06:19)
林道歩きが長い。ここからが本番…と思いきや、まだまだ長い道のり。
わさび平小屋に到着。冷たいフルーツが並んでて美味しそう。「帰りに食べよう」と心に決めて先へ進む。


わさび平〜鏡平〜双六小屋(06:19〜15:46)
わさび平を過ぎると、やっと山道らしくなってくる。沢沿いの道は涼しくて気持ちいい。
ところが、標高を上げるにつれて暑さが容赦なく襲ってくる。雲ひとつない青空は嬉しいけど、直射日光がキツすぎる☀️
鏡平に着いた頃にはもうバテバテ。暑すぎてかき氷を食べた。生き返る。



そしてここからが地獄だった。暑さと荷物の重さで両足がつり始める。登るのも下るのもままならない状態。頭の中で「ツェルトもダウンもあるし、ここでビバクするか…」と真剣に考えた。
仲間の1人も足がつりだし、仲間の励ましと、だましだましの歩きで何とか双六小屋に到着。15時46分。予定よりかなり遅れた。本当は三俣山荘で1泊予定だったが、双六小屋が空いていたので三俣山荘に事情を話キャンセル。今晩は双六小屋に泊まることにする。



小屋に着いてからは、お腹ペコペコでごはんを美味しくいただいた。明日に備えて早めに就寝。

【2日目】双六小屋〜三俣山荘〜鷲羽岳〜水晶岳〜三俣山荘(約13時間)
双六小屋〜三俣山荘(04:28〜08:09)
2日目の朝。朝日を浴びながら三俣山荘を目指す。
途中、雪渓があった。軽アイゼンは持ってきていたけど、体力に自信がなかったので迂回ルートを選択。安全第一。雪渓はツボ足でも行けたけど、慎重に。



三俣山荘に到着。ここで荷物をデポして身軽になる。これが大正解。重い荷物から解放されると足取りが全然違う😆

三俣山荘〜鷲羽岳(08:09〜09:57)
さあ、いよいよ鷲羽岳へ。三俣山荘から見上げる鷲羽岳は迫力がある。
ガレ場を慎重に登っていく。雨の日はオススメしない岩場が続く。でも天気は最高。振り返ると穂高連峰、立山連峰がバーンと見える。



鷲羽岳(2,924m)登頂。 20座目。
山頂からの展望は360度の大パノラマ。槍ヶ岳、穂高連峰、立山連峰、そして目の前に水晶岳。北アルプスの真ん中にいるという実感がすごい。

鷲羽岳〜ワリモ岳〜水晶岳(09:57〜12:24)
鷲羽岳からワリモ岳を越えて水晶岳へ。ワリモ岳の岩場は尖っていて、刺さりそうなくらい鋭い。
水晶小屋に着いたらTシャツをゲット。ここでさらに荷物をデポして、身軽に水晶岳を目指す。



水晶岳への最後の登りは岩場が続く。安全第一で慎重に。あと少しのところが一番気を抜けない。


水晶岳(2,986m)登頂。 21座目。
ほんとに来れた。感無量。ずっと行きたかった水晶岳の山頂からの景色は、言葉にならないくらい美しかった。黒部源流の谷が眼下に広がり、遠くには黒部ダムも見える。北アルプスの最深部にいるという感動。


水晶岳〜三俣山荘(12:24〜17:38)
水晶岳から戻る途中、黒部源流を通る。水場もあって、冷たい水が美味しい。
お花畑も綺麗で、7月の北アルプスならではの景色。



しかし、途中から雨が降り出す。小屋に着く頃にはさらにひどくなった。天候と体力を考えて、雲ノ平は次回のお楽しみに。


夜は満天の星空。夕方の雨が嘘のように晴れ渡り、流れ星も見えた✨

【3日目】三俣山荘〜三俣蓮華岳〜双六小屋〜新穂高(04:37〜14:11)
三俣山荘〜三俣蓮華岳〜双六小屋(04:37〜08:13)
最終日。三俣蓮華岳を経由して帰路へ。
三俣蓮華岳からの稜線歩きが最高に気持ちいい。どこまでも続く稜線。長いけど飽きない景色が続く。
雲の境目がくっきり見えるのも、高山ならでは。





双六小屋〜わさび平〜新穂高(08:13〜14:11)
双六小屋から弓折乗越を経由して、小池新道を下る。長い下りだけど、行きとは違って足は大丈夫。足裏が痛くなり途中の川で足を冷やしたが
わさび平小屋で、行きに「帰りに食べよう」と決めていたキュウリをパクリ。冷たくて美味い。

そして長い林道を歩いて、14:11に新穂高に無事下山。2泊3日の山旅、終了。

アクセス・駐車場情報
車の場合
- 高山ICもしくは松本ICから新穂高温泉方面へ
- 高山ICからは国道158号〜平湯〜国道471号で約1時間30分
- 松本ICからは国道158号〜安房トンネル経由で約1時間30分
駐車場
| 駐車場 | 台数 | 料金 | 備考 |
|---|---|---|---|
| 新穂高ロープウェイ登山者用無料駐車場 | 約150台 | 無料 | すぐ満車になる |
| 鍋平園地駐車場 | 約200台 | 無料 | 登山口まで徒歩30分 |
| 市営新穂高第3駐車場 | 約150台 | 6時間まで無料、以降有料 | 登山口に近い |
今回は3連休で朝4時の時点で新穂高の駐車場が満車。鍋平園地駐車場に停めることになって、30分のロスが出た。連休は前日早めの入りを強くオススメする。
公共交通機関の場合
- JR高山駅から濃飛バスで新穂高温泉バス停下車(約1時間40分)
- JR松本駅からアルピコ交通バスで平湯温泉乗り換え、新穂高温泉下車
- バスの本数は少ないので、事前に時刻表を確認すること
必要な装備
2泊3日の北アルプス縦走。荷物が重くなるからこそ、取捨選択が大事になる。
必須装備
| 装備 | ポイント |
|---|---|
| 登山靴(ハイカット) | 岩場・ガレ場が多いのでしっかりしたもの |
| ザック(40〜50L) | 小屋泊なら40L、テント泊なら50L以上 |
| レインウェア | 午後から天気が崩れやすい。必ず持参 |
| 軽アイゼン | 7月でも雪渓が残っている。念のため |
| ヘッドランプ | 早朝出発には必須 |
| ツェルト | 万が一のビバク用。今回本気で使うか悩んだ |
僕が使っている装備
今回の山行で痛感したのは、荷物の軽量化がどれだけ大事かということ。重い荷物で真夏の長距離を歩くと、足への負担が半端ない。
軽量化のポイントとしては、ザックそのものを軽いものにするだけで1kg以上変わる。体力に自信がない人ほど、装備の軽量化に投資する価値がある。
足つり対策として、電解質タブレットや芍薬甘草湯は必携。今回これがあれば、もう少し楽だったかもしれない。
あると便利な装備
- 電解質タブレット:夏の長距離縦走では汗で塩分が失われる。足つり防止に必携
- サングラス:稜線は日差しが強烈。目の保護に
- 日焼け止め:標高2,500m以上の紫外線は平地の比じゃない
北アルプス最深部で学んだこと
この山行は、最高の景色と最悪のコンディションが同居した山行だった。
穂高連峰、立山連峰、槍ヶ岳…見渡す限りの北アルプスの山々。満天の星空に流れ星。黒部源流の静けさ。水晶岳山頂から見た景色は、今でもはっきり覚えてる。
でも同時に、「このまま動けなくなるかもしれない」という恐怖も味わった。前の週に軽めの山に登っただけだったのに、いきなり2泊3日の重装備縦走。暑さと荷物の重さで体が悲鳴を上げた。
教訓はシンプル。体力と装備のバランスを甘く見ない。 特に夏の長距離縦走は、暑さによる消耗が想像以上に大きい。
まとめ|鷲羽岳・水晶岳に挑戦する人へ
北アルプスの最深部だけあって、アプローチが長い。体力・天候・装備、すべての準備が求められる山。でも、その分たどり着いたときの感動は格別。
このルートが向いている人:
- 北アルプスの縦走経験がある人
- 2泊3日以上の行程が組める人
- 体力に自信がある(1日8時間以上歩ける)人
注意が必要な人:
- 長距離縦走が初めての人(まずは1泊2日の縦走から)
- 真夏に行く場合は暑さ対策と足つり対策を万全に
- 荷物が重くなりがちな人は軽量化を真剣に考えるべき
雲ノ平には行けなかったから、次はリベンジしたい。鷲羽岳・水晶岳・雲ノ平をセットで回るのが、このエリアの完全攻略ルートだと思う。
よくある質問(鷲羽岳・水晶岳 Q&A)
Q. 鷲羽岳・水晶岳の難易度は?
技術的な難所は少ないけど、アプローチの長さが最大の難関。新穂高から三俣山荘まで片道約20km。体力勝負の山。水晶岳の山頂直下は岩場があるので慎重に。
Q. 鷲羽岳・水晶岳の登山適期は?
7月中旬〜9月下旬。7月は雪渓が残っていることがあるので軽アイゼンがあると安心。8月がベストシーズンだけど、お盆は混雑する。
Q. 新穂高からのコースタイムは?
一般的には、新穂高→双六小屋(約8〜9時間)、双六小屋→三俣山荘(約3時間)、三俣山荘→鷲羽岳→水晶岳往復(約6〜7時間)。最低2泊3日は必要。
Q. 初心者でも登れる?
単独での初心者にはオススメしない。最低でも北アルプスの1泊2日縦走の経験があった方がいい。距離が長く、山小屋間の間隔も広いため、体力と判断力が求められる。
登山をもっと安全に楽しむために
北アルプスの奥地は、何かあっても簡単に下山できない。事前の備えが本当に大切。
- 登山届:必ず提出。新穂高登山口にもポストがあるし、オンラインでも提出できる
- 登山保険:登山保険に入っておくと安心。年間数千円で遭難時の捜索費用もカバーされるものがある。今回のように足がつって動けなくなる事態も、山では十分あり得る
- 山小屋の予約:夏のハイシーズンは要予約。特に双六小屋・三俣山荘は人気が高い
では、またどこかのお山で👋


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