【080座目】幌尻岳 幌尻山荘ルート|百名山最難関の渡渉が楽しすぎた2泊3日

100名山

百名山最難関と言われる幌尻岳。何が最難関かって、答えはシンプル。渡渉。天候によって川の水が増し増水で登れるか決まってしまう、まさに運の要素も秘めた山

でも正直に言うと、この渡渉がめちゃくちゃ楽しかった。

とよぬか山荘からバスで第2ゲートへ。幌尻山荘で2泊して山頂を往復する贅沢プラン。天気には恵まれなかったけど、紅葉の北カール、渡渉の冒険感、小屋でのネズミ騒動まで、ネタ満載の2泊3日になった。


この記事でわかること

  • 幌尻岳・幌尻山荘ルートの渡渉の実態と必要な装備
  • とよぬか山荘からのバスの乗り方と注意点
  • 幌尻山荘の設備・ルール・宿泊の雰囲気
  • 第2ゲートから山頂までのコース詳細
  • 9月下旬の紅葉と天候の様子

登山データ

項目データ
山名幌尻岳(2,052m)
ルート幌尻山荘ルート(第2ゲート ピストン)
日程2023年9月28日(木)〜30日(土) 2泊3日
行動時間16時間14分
距離28.6km
累積標高登り2,055m / 下り2,053m
天気1日目 曇りのち雨 / 2日目 ガス・強風・雹 / 3日目 曇り
第2ゲートのスタート地点
第2ゲートのスタート地点

幌尻山荘ルートを選んだ理由

幌尻岳のルートは大きく分けて「幌尻山荘ルート」と「新冠ルート」の2つ。今回は幌尻山荘ルートを選んだ。

理由はシンプルで、とよぬか山荘からバスが出ていてアクセスしやすいこと。そして何より、あの有名な渡渉を体験してみたかった。

2泊3日の余裕あるスケジュールで、初日にバスで第2ゲートへ入り、渡渉を経て幌尻山荘へ。2日目に山頂をピストンして小屋に戻り、3日目に下山してバスで帰る。時間に追われない贅沢プラン。

第2ゲートの注意看板
第2ゲートの注意看板

コース詳細|時間帯ごとのレポート

【1日目】とよぬか山荘〜第2ゲート〜幌尻山荘

とよぬか山荘でバスに乗る(3:45頃)

前日の夜に北海道入りして、とよぬか山荘へ。ここは車中泊禁止なので注意。山荘のトイレもバス出発のギリギリにならないと使えない。

バスは3:45頃に到着。出発10分前にならないと運行するかわからないので、チケットが事前に買えない。入口の自動販売機で乗車券(往復5,000円)を購入して、運転手に渡す仕組み。

ちなみに運転手さんは何も声をかけてくれないので、自分から話しかけること。黙って並んでいると置いてかれるかも💦

とよぬか山荘の外観
とよぬか山荘の外観
バスの乗車券購入
バスの乗車券購入

第2ゲート〜林道歩き(約2時間)

バスに揺られて第2ゲートに到着。乗客を降ろしたらバスは去っていく。ポツンと取り残される感じがなかなかの心細さ。帰りたくても次のバスが来るまで帰れない😅

まだ暗いので、明るくなるのを待ってから出発。ここから約2時間の林道歩き。今まで歩いた林道のなかでもかなり長い部類に入ると思う。

第2ゲートでバスを降りた人たち
第2ゲートでバスを降りた人たち
長い林道
長い林道

渡渉開始〜幌尻山荘(約2時間)

取水施設に着くと林道は終わり。ここからが幌尻岳を「最難関」と言わしめる渡渉の始まり。

水深は深いところで膝上くらい(身長160cmくらいで)。身長や足の長さ、水量によって難易度が変わるから、あくまで参考程度に。

装備はフェルトのアタッチメント(アイゼンのフェルト版みたいなもの)を装着。これでほぼ滑らなかった。ちなみに今回のメンバー3人のうち、1人はドボンしてた😆

ピンクリボンが多数あるから渡渉ポイントはわかりやすい。ただ、そこがベストかは別問題。自分で周囲を見て判断が必要。岩をピョンピョン飛んでもいいし、河底を濡れる覚悟で安全に行くのもあり。

個人的には渡渉がめちゃくちゃ楽しかった。水は透き通って綺麗だし、冒険感がたまらない。

取水施設
携帯用トイレを使う仮説トイレ
渡渉開始地点
渡渉開始地点
渡渉装備のフェルトアタッチメント
渡渉装備のフェルトアタッチメント
おひとり様橋
おひとり様橋
渡渉の様子
渡渉の様子
透き通った水
透き通った水

幌尻山荘に到着(9:46頃)

2時間ほど渡渉を楽しんで幌尻山荘に到着。

予報では午後から雨だったけど、11時頃にポツポツと降り始めた。ギリギリセーフ。その後は本格的な雨になって、9人が到着困難と判断してキャンセルしたらしい。

この小屋、なかなか癖のあるルールがある。1階には薪ストーブがあって室内を暖めてくれるけど、ストーブが筒抜けになっている2階に濡れた服を干すと、干してあるものが全部燻されるのが玉に瑕。まぁ贅沢は言えない。

幌尻山荘の外観
幌尻山荘の外観
小屋のルール掲示
小屋のルール掲示
小屋の内部
小屋の内部
小屋の2階
小屋の2階

【2日目】幌尻山荘〜幌尻岳山頂〜幌尻山荘

登山開始〜稜線(約2時間)

2日目が本番。時間に余裕がありすぎて、予定より1時間早く登山開始。

ザック・ストック・靴は小屋の横にある床下倉庫に置いて、山頂アタック用の軽装で出発。登山道はいきなりの急登から始まって、緩やか、そしてまた急登のパターン。

途中、「命の泉」(看板は「泉」、地図は「水」で本当の名前は不明)で水を補給。葉っぱが色づき始めていて、秋の気配を感じながら登っていく。

床下倉庫
床下倉庫
登山道のスタート
登山道のスタート
色づき始めた葉
色づき始めた葉
命の泉
命の泉

稜線〜山頂(10:34頃着)

稜線に出ると、幌尻岳がドーンと見えるはず。のはずが、真っ白。ガスで何も見えない。

風が強かったけど、時々北カールや東カールが顔を見せてくれる。見えるたびに山頂から歓声が上がっていた。空に向かってみんなで「もう一声〜」と叫んだりして。聞いてくれなかったけど🤣

時々顔を覗かせる北カールは紅葉で紅く染まっていて、もう完全に秋🍁 風は冷たくて、冬の訪れを感じる。

山頂に着いたものの、大量のガスと寒さでただの罰ゲーム状態。必死にポーズを取ったけど、足はガタガタ震えていた。三角点にタッチして、これ以上天気も望めないと判断。

ガスの稜線
ガスの稜線
山頂での記念撮影
山頂での記念撮影
三角点タッチ
三角点タッチ

下山〜紅葉と雹(約3時間)

紅葉を楽しみながら下山開始。ところが途中から雹が降ってきた。風も変わって、遠くで雷の音。今いるのは稜線の真っ只中。やばい。急いで下山。

とはいえ、ガスの切れ間から見える景色は絶景だった。北カール方面は赤や黄色に染まって、チングルマの紅葉が地面を真っ赤な絨毯に変えている。天気さえよければ、かなり綺麗だったはず。

山頂を早く撤退しすぎた感もあった。下山途中に少し晴れてきて、けど「もう登っていく気力はない。山は見るものだ」と自分に言い聞かせた(笑)

急登だったぶん下山はあっという間。無事に幌尻山荘に戻って、登頂を祝って乾杯🍻

北カールの紅葉
北カールの紅葉
チングルマの紅葉
チングルマの紅葉
雹が降ってきた
雹が降ってきた
秋色に染まった紅葉
秋色に染まった紅葉
見納めの景色
見納めの景色
川に流れ着いたビール
川に流れ着いた?ビール
登頂祝いの乾杯
登頂祝いの乾杯

【3日目】幌尻山荘〜第2ゲート〜とよぬか山荘

最終日。小屋は今日で営業終了で、10時には閉めるとのこと。早めに出発。

帰りの渡渉は若干水位が上がっていた。それでも問題なく通過。そのあとの長い林道が地味にこたえる💦

第2ゲートに無事到着して、バスの待ち時間にコーヒーブレイク☕️ そこへ関西からの4人組が。Tシャツの裏に「酒が好き ♨️が好き ついでに山も好き」と書いてあって爆笑。オリジナルのTシャツ。こういうの関西人は得意だよな。

帰りの渡渉
帰りの渡渉
帰りの長い林道
帰りの長い林道
第2ゲートのバス乗り場
第2ゲートのバス乗り場
コーヒーブレイク
コーヒーブレイク

アクセス・駐車場情報

車の場合

  • 道東自動車道 日高富川ICから国道237号→振内方面→とよぬか山荘まで約60km
  • とよぬか山荘からはシャトルバスで第2ゲートへ(往復5,000円)
  • バスは早朝出発。当日10分前にならないと運行確定しない

駐車場

駐車場台数料金備考
とよぬか山荘約30台無料車中泊禁止

とよぬか山荘は元学校の建物。トイレはバス出発のギリギリまで使えないので要注意。

とよぬか山荘
とよぬか山荘
とよぬか山荘の内部
とよぬか山荘の内部

公共交通機関の場合

  • JR日高本線は一部区間が廃止されているため、車でのアクセスが現実的
  • レンタカーで新千歳空港からとよぬか山荘まで約2時間半

必要な装備

幌尻岳の最大の特徴は渡渉。通常の登山装備に加えて、渡渉用の装備が必要。

必須装備

装備ポイント
渡渉用シューズ or フェルトアタッチメントフェルト底で滑りを軽減。沢靴の方が安定感はあるが重い
沢用靴下・ネオプレンゲイター水が冷たい時期は必須。冷たさをかなり低減してくれる
速乾タオル渡渉後の足拭き用
防寒着9月下旬の稜線は真冬並みの寒さ。風が強いと体感温度がかなり下がる
レインウェア天候が急変しやすい。雹が降ることも
ヘッドランプ早朝出発のため必須

僕が使っている装備

今回の渡渉ではフェルトのアタッチメントを使った。アイゼンのフェルト版みたいなもので、靴底に装着するだけ。ほぼ滑らなかったから助かった。ただ少し横にズレることがあるので、重さを気にしないなら沢靴の方がおすすめ。

沢用の靴下と足を巻くネオプレン素材のやつも使った。9月下旬の水は冷たいから、これがあるとないとでは大違い。

あると便利な装備

  • サンダル:小屋周辺での行動用。渡渉後に履き替えると楽
  • 耳栓:幌尻山荘にはネズミが出る。夜中のガサガサ音対策に
  • ビニール袋:食料をネズミから守るために密閉できる袋が必要

幌尻山荘のネズミ事件と小屋の思い出

幌尻山荘には名物(?)がいる。ネズミ🐭

朝、ガサガサという音で目が覚めた。何かと思ったらネズミ。普段は倉庫にしか現れないらしいけど、小屋じまいが近いのを悟ったのか、冬支度の焦りからか客室にも出没。

メンバーの1人は荷物をかじられていた。これも良い思い出…かな🤣

小屋の横の川を眺めていたら、桃太郎の桃みたいにビールが流れ着いていた。川で冷やしていたやつだね。登頂を祝って皆で乾杯したあの一杯は格別だった。

ネズミの出没
ネズミの出没
ネズミにかじられた痕跡
ネズミにかじられた痕跡

まとめ|幌尻岳に挑戦する人へ

幌尻岳は「最難関」というイメージが先行しがちだけど、実際に行ってみると渡渉はちゃんと準備すれば楽しめる。むしろ楽しすぎて、また行きたいと思ったくらい。

問題は天候。北海道の山は天気が読みにくいし、稜線に出ると風が強い。9月下旬はすでに秋を通り越して冬の入口。防寒対策は万全に。

幌尻山荘ルートが向いている人:

  • 渡渉を体験してみたい人
  • 2泊3日のスケジュールが組める人
  • 小屋泊装備で行きたい人(テント不要)

新冠ルートの方がいい人:

  • 渡渉を避けたい人
  • 長い林道歩きに耐性がある人(新冠も林道は長い)

天気のいい日に、ぜひリベンジしたい山。次は北カールの全貌を見たい☀️


よくある質問(幌尻岳 Q&A)

Q. 幌尻岳の難易度は?

体力的にはそこまで高くない。コースタイムは長いけど、2泊3日なら余裕を持って歩ける。難しいのは渡渉で、水量が多いときは危険度が跳ね上がる。雨の翌日は特に注意。予備日は考えておいたほうが良い。

Q. 幌尻岳の登山適期は?

7月〜9月。渡渉があるため雪解け直後の増水期は避けた方がいい。9月下旬は紅葉が見頃だけど、稜線は真冬並みの寒さになることも。

Q. 幌尻山荘ルートのコースタイムは?

第2ゲートから幌尻山荘まで約4〜5時間(林道2時間+渡渉2時間)。幌尻山荘から山頂まで約3〜4時間。往復で16時間程度だけど1泊2日〜2泊3日に分けるのが一般的。

Q. 幌尻岳に初心者でも登れる?

渡渉経験がない初心者にはおすすめしない。登山道自体は一般的な急登だけど、渡渉は水量次第で難易度が大きく変わる。沢歩きの経験がある人や、経験者と一緒に行くのが安心。

Q. 渡渉の装備は何が必要?

フェルト底のシューズかアタッチメントがおすすめ。裸足やスニーカーは滑るから絶対NG。水が冷たい時期はネオプレン素材の靴下やゲイターがあると快適。


登山をもっと安全に楽しむために

幌尻岳は百名山のなかでも特にリスク管理が重要な山。渡渉の増水、稜線の強風、急な天候変化に備えておきたい。

  • 登山届:必ず提出。コンパスからオンラインで提出できる
  • 登山保険:登山保険に入っておくと安心。年間数千円で遭難時の捜索費用もカバーされるものがある。渡渉で流されるリスクもゼロじゃないから、入っておいて損はない
  • ガイド付き登山:幌尻岳が不安な人は、ガイドツアーという選択肢もある。渡渉のルートファインディングはガイドがいると心強い

では、またどこかのお山で👋


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