百名山最難関と言われる幌尻岳。何が最難関かって、答えはシンプル。渡渉。天候によって川の水が増し増水で登れるか決まってしまう、まさに運の要素も秘めた山
でも正直に言うと、この渡渉がめちゃくちゃ楽しかった。
とよぬか山荘からバスで第2ゲートへ。幌尻山荘で2泊して山頂を往復する贅沢プラン。天気には恵まれなかったけど、紅葉の北カール、渡渉の冒険感、小屋でのネズミ騒動まで、ネタ満載の2泊3日になった。
この記事でわかること
- 幌尻岳・幌尻山荘ルートの渡渉の実態と必要な装備
- とよぬか山荘からのバスの乗り方と注意点
- 幌尻山荘の設備・ルール・宿泊の雰囲気
- 第2ゲートから山頂までのコース詳細
- 9月下旬の紅葉と天候の様子
登山データ
| 項目 | データ |
|---|---|
| 山名 | 幌尻岳(2,052m) |
| ルート | 幌尻山荘ルート(第2ゲート ピストン) |
| 日程 | 2023年9月28日(木)〜30日(土) 2泊3日 |
| 行動時間 | 16時間14分 |
| 距離 | 28.6km |
| 累積標高 | 登り2,055m / 下り2,053m |
| 天気 | 1日目 曇りのち雨 / 2日目 ガス・強風・雹 / 3日目 曇り |

幌尻山荘ルートを選んだ理由
幌尻岳のルートは大きく分けて「幌尻山荘ルート」と「新冠ルート」の2つ。今回は幌尻山荘ルートを選んだ。
理由はシンプルで、とよぬか山荘からバスが出ていてアクセスしやすいこと。そして何より、あの有名な渡渉を体験してみたかった。
2泊3日の余裕あるスケジュールで、初日にバスで第2ゲートへ入り、渡渉を経て幌尻山荘へ。2日目に山頂をピストンして小屋に戻り、3日目に下山してバスで帰る。時間に追われない贅沢プラン。

コース詳細|時間帯ごとのレポート
【1日目】とよぬか山荘〜第2ゲート〜幌尻山荘
とよぬか山荘でバスに乗る(3:45頃)
前日の夜に北海道入りして、とよぬか山荘へ。ここは車中泊禁止なので注意。山荘のトイレもバス出発のギリギリにならないと使えない。
バスは3:45頃に到着。出発10分前にならないと運行するかわからないので、チケットが事前に買えない。入口の自動販売機で乗車券(往復5,000円)を購入して、運転手に渡す仕組み。
ちなみに運転手さんは何も声をかけてくれないので、自分から話しかけること。黙って並んでいると置いてかれるかも💦


第2ゲート〜林道歩き(約2時間)
バスに揺られて第2ゲートに到着。乗客を降ろしたらバスは去っていく。ポツンと取り残される感じがなかなかの心細さ。帰りたくても次のバスが来るまで帰れない😅
まだ暗いので、明るくなるのを待ってから出発。ここから約2時間の林道歩き。今まで歩いた林道のなかでもかなり長い部類に入ると思う。


渡渉開始〜幌尻山荘(約2時間)
取水施設に着くと林道は終わり。ここからが幌尻岳を「最難関」と言わしめる渡渉の始まり。
水深は深いところで膝上くらい(身長160cmくらいで)。身長や足の長さ、水量によって難易度が変わるから、あくまで参考程度に。
装備はフェルトのアタッチメント(アイゼンのフェルト版みたいなもの)を装着。これでほぼ滑らなかった。ちなみに今回のメンバー3人のうち、1人はドボンしてた😆
ピンクリボンが多数あるから渡渉ポイントはわかりやすい。ただ、そこがベストかは別問題。自分で周囲を見て判断が必要。岩をピョンピョン飛んでもいいし、河底を濡れる覚悟で安全に行くのもあり。
個人的には渡渉がめちゃくちゃ楽しかった。水は透き通って綺麗だし、冒険感がたまらない。






幌尻山荘に到着(9:46頃)
2時間ほど渡渉を楽しんで幌尻山荘に到着。
予報では午後から雨だったけど、11時頃にポツポツと降り始めた。ギリギリセーフ。その後は本格的な雨になって、9人が到着困難と判断してキャンセルしたらしい。
この小屋、なかなか癖のあるルールがある。1階には薪ストーブがあって室内を暖めてくれるけど、ストーブが筒抜けになっている2階に濡れた服を干すと、干してあるものが全部燻されるのが玉に瑕。まぁ贅沢は言えない。




【2日目】幌尻山荘〜幌尻岳山頂〜幌尻山荘
登山開始〜稜線(約2時間)
2日目が本番。時間に余裕がありすぎて、予定より1時間早く登山開始。
ザック・ストック・靴は小屋の横にある床下倉庫に置いて、山頂アタック用の軽装で出発。登山道はいきなりの急登から始まって、緩やか、そしてまた急登のパターン。
途中、「命の泉」(看板は「泉」、地図は「水」で本当の名前は不明)で水を補給。葉っぱが色づき始めていて、秋の気配を感じながら登っていく。




稜線〜山頂(10:34頃着)
稜線に出ると、幌尻岳がドーンと見えるはず。のはずが、真っ白。ガスで何も見えない。
風が強かったけど、時々北カールや東カールが顔を見せてくれる。見えるたびに山頂から歓声が上がっていた。空に向かってみんなで「もう一声〜」と叫んだりして。聞いてくれなかったけど🤣
時々顔を覗かせる北カールは紅葉で紅く染まっていて、もう完全に秋🍁 風は冷たくて、冬の訪れを感じる。
山頂に着いたものの、大量のガスと寒さでただの罰ゲーム状態。必死にポーズを取ったけど、足はガタガタ震えていた。三角点にタッチして、これ以上天気も望めないと判断。



下山〜紅葉と雹(約3時間)
紅葉を楽しみながら下山開始。ところが途中から雹が降ってきた。風も変わって、遠くで雷の音。今いるのは稜線の真っ只中。やばい。急いで下山。
とはいえ、ガスの切れ間から見える景色は絶景だった。北カール方面は赤や黄色に染まって、チングルマの紅葉が地面を真っ赤な絨毯に変えている。天気さえよければ、かなり綺麗だったはず。
山頂を早く撤退しすぎた感もあった。下山途中に少し晴れてきて、けど「もう登っていく気力はない。山は見るものだ」と自分に言い聞かせた(笑)
急登だったぶん下山はあっという間。無事に幌尻山荘に戻って、登頂を祝って乾杯🍻







【3日目】幌尻山荘〜第2ゲート〜とよぬか山荘
最終日。小屋は今日で営業終了で、10時には閉めるとのこと。早めに出発。
帰りの渡渉は若干水位が上がっていた。それでも問題なく通過。そのあとの長い林道が地味にこたえる💦
第2ゲートに無事到着して、バスの待ち時間にコーヒーブレイク☕️ そこへ関西からの4人組が。Tシャツの裏に「酒が好き ♨️が好き ついでに山も好き」と書いてあって爆笑。オリジナルのTシャツ。こういうの関西人は得意だよな。




アクセス・駐車場情報
車の場合
- 道東自動車道 日高富川ICから国道237号→振内方面→とよぬか山荘まで約60km
- とよぬか山荘からはシャトルバスで第2ゲートへ(往復5,000円)
- バスは早朝出発。当日10分前にならないと運行確定しない
駐車場
| 駐車場 | 台数 | 料金 | 備考 |
|---|---|---|---|
| とよぬか山荘 | 約30台 | 無料 | 車中泊禁止 |
とよぬか山荘は元学校の建物。トイレはバス出発のギリギリまで使えないので要注意。


公共交通機関の場合
- JR日高本線は一部区間が廃止されているため、車でのアクセスが現実的
- レンタカーで新千歳空港からとよぬか山荘まで約2時間半
必要な装備
幌尻岳の最大の特徴は渡渉。通常の登山装備に加えて、渡渉用の装備が必要。
必須装備
| 装備 | ポイント |
|---|---|
| 渡渉用シューズ or フェルトアタッチメント | フェルト底で滑りを軽減。沢靴の方が安定感はあるが重い |
| 沢用靴下・ネオプレンゲイター | 水が冷たい時期は必須。冷たさをかなり低減してくれる |
| 速乾タオル | 渡渉後の足拭き用 |
| 防寒着 | 9月下旬の稜線は真冬並みの寒さ。風が強いと体感温度がかなり下がる |
| レインウェア | 天候が急変しやすい。雹が降ることも |
| ヘッドランプ | 早朝出発のため必須 |
僕が使っている装備
今回の渡渉ではフェルトのアタッチメントを使った。アイゼンのフェルト版みたいなもので、靴底に装着するだけ。ほぼ滑らなかったから助かった。ただ少し横にズレることがあるので、重さを気にしないなら沢靴の方がおすすめ。
沢用の靴下と足を巻くネオプレン素材のやつも使った。9月下旬の水は冷たいから、これがあるとないとでは大違い。
あると便利な装備
- サンダル:小屋周辺での行動用。渡渉後に履き替えると楽
- 耳栓:幌尻山荘にはネズミが出る。夜中のガサガサ音対策に
- ビニール袋:食料をネズミから守るために密閉できる袋が必要
幌尻山荘のネズミ事件と小屋の思い出
幌尻山荘には名物(?)がいる。ネズミ🐭
朝、ガサガサという音で目が覚めた。何かと思ったらネズミ。普段は倉庫にしか現れないらしいけど、小屋じまいが近いのを悟ったのか、冬支度の焦りからか客室にも出没。
メンバーの1人は荷物をかじられていた。これも良い思い出…かな🤣
小屋の横の川を眺めていたら、桃太郎の桃みたいにビールが流れ着いていた。川で冷やしていたやつだね。登頂を祝って皆で乾杯したあの一杯は格別だった。


まとめ|幌尻岳に挑戦する人へ
幌尻岳は「最難関」というイメージが先行しがちだけど、実際に行ってみると渡渉はちゃんと準備すれば楽しめる。むしろ楽しすぎて、また行きたいと思ったくらい。
問題は天候。北海道の山は天気が読みにくいし、稜線に出ると風が強い。9月下旬はすでに秋を通り越して冬の入口。防寒対策は万全に。
幌尻山荘ルートが向いている人:
- 渡渉を体験してみたい人
- 2泊3日のスケジュールが組める人
- 小屋泊装備で行きたい人(テント不要)
新冠ルートの方がいい人:
- 渡渉を避けたい人
- 長い林道歩きに耐性がある人(新冠も林道は長い)
天気のいい日に、ぜひリベンジしたい山。次は北カールの全貌を見たい☀️
よくある質問(幌尻岳 Q&A)
Q. 幌尻岳の難易度は?
体力的にはそこまで高くない。コースタイムは長いけど、2泊3日なら余裕を持って歩ける。難しいのは渡渉で、水量が多いときは危険度が跳ね上がる。雨の翌日は特に注意。予備日は考えておいたほうが良い。
Q. 幌尻岳の登山適期は?
7月〜9月。渡渉があるため雪解け直後の増水期は避けた方がいい。9月下旬は紅葉が見頃だけど、稜線は真冬並みの寒さになることも。
Q. 幌尻山荘ルートのコースタイムは?
第2ゲートから幌尻山荘まで約4〜5時間(林道2時間+渡渉2時間)。幌尻山荘から山頂まで約3〜4時間。往復で16時間程度だけど1泊2日〜2泊3日に分けるのが一般的。
Q. 幌尻岳に初心者でも登れる?
渡渉経験がない初心者にはおすすめしない。登山道自体は一般的な急登だけど、渡渉は水量次第で難易度が大きく変わる。沢歩きの経験がある人や、経験者と一緒に行くのが安心。
Q. 渡渉の装備は何が必要?
フェルト底のシューズかアタッチメントがおすすめ。裸足やスニーカーは滑るから絶対NG。水が冷たい時期はネオプレン素材の靴下やゲイターがあると快適。
登山をもっと安全に楽しむために
幌尻岳は百名山のなかでも特にリスク管理が重要な山。渡渉の増水、稜線の強風、急な天候変化に備えておきたい。
- 登山届:必ず提出。コンパスからオンラインで提出できる
- 登山保険:登山保険に入っておくと安心。年間数千円で遭難時の捜索費用もカバーされるものがある。渡渉で流されるリスクもゼロじゃないから、入っておいて損はない
- ガイド付き登山:幌尻岳が不安な人は、ガイドツアーという選択肢もある。渡渉のルートファインディングはガイドがいると心強い
では、またどこかのお山で👋






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